第956話 2つの戦乱の理由

其の謎を調べる為、コンスタリオは先代の管理者の来歴を探る、すると自身が凱旋してから間もなくして先代が何か大きな戦乱に出向いた事が記載されていた。


「何らかの戦乱が起こった……其の対象は……魔神族ね。

これだけだと単に魔神族と交戦したということにしかならないけど……」

「裏側勢力が絡んでいるのであれば、そこに何らかの陰謀が絡んでいる可能性は十分考えられますね……もう少し詰めて調べてみたほうが良いのでは?」


シレットがそう言うまでもなく、コンスタリオは其の戦乱について調べていく、すると其の戦乱の相手であった魔神族の中にとんでもない名前を見てしまう。


「敵陣の中に魔王の名前がある……つまり、この時の相手の魔神族は……」

「魔王側の戦力って事か……だけどこの時の魔王は今の魔王とは違う、一体どんな魔王だったのかが気になるな、それ次第でこの戦乱の意味が大分変わってきてしまう」


モイスの指摘は最もであった、魔王が裏側勢力側なのか、今の魔王と同じ立場なのかでこの戦乱の構図は全く違った物になってくる、それは否定しようのない事実であった。


「この魔王がもし今の魔王と同じ立場なのであれば、この構図は裏側勢力とそうでない部隊の戦乱、この魔王がもし裏側勢力側なのであれば、この構図は裏側勢力の内乱ということになるわね」

「どっちにしても何方も、いや、特に人族側が大規模な戦力を投入しているとなるとこの戦乱がかなり大きな意味を持っている事は間違いないだろうな、そして其の戦乱で隊長の血族は全滅し、凱旋していた隊長を除いて途絶えたって訳か」

「其の情報が直ぐに此方に伝わってこなかったのはこのタウンが閉ざされたタウンであるが故なのか、それとも裏側勢力の何らかの事情があるのか……

だけど私の元にも遅れてとはいえ、血族が途絶えたという情報は入ってきたわ、それすらも計算の内なのか、それとも……」


裏側勢力の計画が自身の血族に何処まで関与しているのか、又その詳細が何処までのものなのかが分からず、コンスタリオ小隊は改めて裏側勢力の驚異をその身でひしひしと感じざるを得ない。

もしかしたら今、この瞬間さえも裏側勢力の掌の上で踊らされているだけなのかもしれない、この状況においてはそうした予測さえも行き過ぎた推測ではなくなっていた。

そうした不安を抱えながらもそれを払拭する為に、これ以上傀儡となるのを避けるためにコンスタリオ小隊は調査を改めて続けていく。

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