第902話 コンスタリオの意図

だが、兵器の容赦無い攻撃は続き、完全に先手を取られたコンスタリオ小隊は明らかに劣勢に追い込まれてしまう。


「くっ、完全に主導権を握られた……何とか此方に主導権を手繰り寄せないと……」


そう思うコンスタリオの内心には明らかに焦燥感が満ちていた。

それだけこの兵器達はこれまで交戦したことがないレベルの性能、連携攻撃を仕掛けてきているのだ。


「つっ!!これまでの兵器より明らかにあらゆる性能が上回っている……こんな物がこの地下に存在しているというの……」


これまでにない強さの兵器に対し、シレットは驚異を感じずにはいられない、そしてそれは


「だとしたら尚の事コイツラをこの先に行かせる訳にはいかねえぞ!!」


というモイスも同様に感じ取っていた。

その後も兵器の猛攻は続き、コンスタリオ小隊を次第に袋小路へと追い込んでいく。


「くっ、少数精鋭の調査が完全に仇になったわね……」


シレットがこう呟くとコンスタリオは


「いえ、まだこれからよ!!」


と強気な口調で言う。

それはこの状況から考えると只のハッタリの様にも思える、だがシレットとモイスにはそうは思えなかった、つまりコンスタリオが反撃の糸口を掴んだのではないか、そう思えたのだ。

そしてコンスタリオは二人の其の予想を的中させるかの様に兵器の集団へと近付いていき、得意の格闘術を叩き込んでいく。


「あれだけの集団に自ら接近を!?」


その行動はモイスにもシレットにも予想外であり、二人の声からは完全に困惑が聞いて取れる。

そして当然の如く兵器はそのままコンスタリオに対して反撃してくるが、コンスタリオはそれを確認すると飛躍して兵器の後ろ側に回り込む。

流石にこれには兵器は対応出来ず其の攻撃は兵器に誤爆する。


「隊長はこれを狙って……だけど、それだけじゃ……」


シレットはコンスタリオの意図を察するものの、それだけでは不十分である事も又把握していた。

シレットがそう思った通り、兵器は前方にバリアを展開し、コンスタリオが引き起こした誤爆によるダメージを防いでいた。

だがコンスタリオは更に其のバリアを展開した兵器に接近し、バリアを展開していない背面から格闘術を叩き込んでいく。

これには流石に兵器も対応出来ず、一体一体を確実に破壊していく。


「隊長は初めからこれを狙っていたのか……だとするなら、俺達も黙ってみていられねえぞ!!」

「ええ、加わりましょう!!」


コンスタリオの意図を完全に掴んだシレットとモイスも兵器の集団に向かっていく。。

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