第875話 進むべき道へ
「既にここまで見てきただけでも世界のほぼ全域に通用する兵器を作り出す事が出来るわね……
最初期の段階でここまでの施設を作り出していたという事は、この戦争を仕掛けた存在は当初は世界征服をするつもりだったのかしら……」
星峰も又、この施設の現状に戸惑いを隠せない様子を見せる。
それ程までにこの施設の実験場は異様に映っていた。
そして部屋を一通り周り、再び入口に戻ってくると星峰は
「ここにはなかったわね……」
と意味深な発言をする。
「無かったって、何が?」
岬が星峰に問いかけると星峰は
「データを記録したり、この部屋の設備を管理したりする機器が無かったって事よ。
となると恐らく他の通路の酒の部屋に其の機器はあるのでしょうけど……」
と言い、自身がこの部屋で何が無いと思ったのかについて返答する。
「そう言われれば見当たらなかったね、だけどこれだけの設備が整っている部屋となると必ず何処かに制御システムが存在している筈。
其処を調べる事が出来れば先史遺産の技術についてブントに大きく水を開ける事が出来るかもしれない」
天之御がそう言うと一同は頷き、入り口へと戻っていく。
だが其処にはここの警備用として配備されていたのか、大量に小型兵器が集まっていた。
「ちっ、そう簡単に先には進ませてくれねえって訳か」
八咫がそう言うと同時に兵器は一斉に機関銃やミサイルを撃ってくる。
一同は散開してそれを躱すが、其の鋤に兵器が迫り一同は部屋の中に押し戻されそうになってしまう。
「つっ、ここで後戻りさせられる訳には行かないんだ!!
魔王妖術……純黒の破断!!」
天之御はそう叫ぶと目の前に三日月状の衝撃波を放ち、兵器を纏めて一刀両断して破壊する。
一撃で大きなダメージを受けた為か、自己再生機能は搭載していないのか、兵器はそのまま其の場に崩れ落ちて再生する様子は見られない。
「天之御殿下……其の力は……」
「あまり振るうべきではないのかもしれない……
だけど、この場で出し惜しみしている余裕は無いからね!!」
空狐が何か意味深な声で天之御に話しかける。
その声には明らかに懸念が混じっていた。
だが天之御はこう言い切るとそのまま先人を切って先へと進んでいき、他の面々もその後に続いていく。
そして先程の分岐通路に戻ってくると今度は別の通路の先にある扉を目指していく。
其の扉も当然、罠が仕掛けられており、一同が近付くと其の扉から突き立てるように剣が生えてくる。
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