第874話 激励の先に待つもの
破損した武装は使わない物の、それ以外の武装を駆使してその後も兵器は一同に猛攻を仕掛けてくる。
それを上手く躱していくが、兵器の攻撃は誤爆を物ともしない激しいものへと変化していた。
「此奴等の攻撃、段々激しさを増して来たわね……これは形振り構わず来る様にプログラムされているのか、それとも……」
岬がそういう様に、兵器の攻撃は次第に激しさを増していた。
だが岬は其の鋤を掻い潜り、兵器の武装に格闘術を叩き込んでいく。
其の結果、破損武装を徐々に増やしていった兵器は次第に瓦解していき、其の攻撃も粗さが目立つ様になる。
「どうやら武装を破壊されると攻撃が荒くなるようですね……いえ、粗くなると言いかえるべきでしょうか?
これなら勝機が見えてきました」
岬はそう言うと更に攻撃を加えていき
「妖格闘術……舞い踊る閃光!!」
というと最後に残った兵器に対し其の中心を貫く様に突進し風穴を開ける。
そして其の兵器が瓦解すると同時に其の場には自然に似つかわしくない瓦礫の山が重なっていた。
「瓦礫の山か……本来であればこうした場所に放棄するのは望ましいことではないのでしょうけど……」
「でも、この自然自体がこの瓦礫の山の為に作られたという矛盾……行き場がないね……」
星峰と天之御が悲しげな声で呟くと岬は
「なら私達の手で作り出しましょうよ、こんな偽りの自然ではない、本当に機械と生命と自然が共生できる世界を!!」
と目一杯元気な声を上げる。
それは空元気からくる声ではない、正真正銘本心から上がっている声であった。
「そうだね……そうしよう!!」
その声に触発されたのか天之御もそう声を張り上げ、下を向いていた顔を前に向ける。
それを見た星峰の顔にも笑顔が浮かぶが、一方でその内心では
「今の岬の声、空元気で無いのは分かるけどどうしてあれだけ前向きなのかしら?
最も、あまり追求するのも野暮というものかもしれないけど……」
と岬が何故ここまで活発な声を上げたのかが疑問として残っていた。
岬の声に触発されたのか、一同は其の場から更に奥へと進み、部屋全体を見渡していく。
すると其の部屋は様々な仕切りがあり、炎天下や砂漠、氷点下や水中と言った過酷な環境まで再現されている事が確認出来る。
その事実も又、この施設で開発されていた兵器が如何に恐ろしいものであるかを一同に物語っていた。
「この施設……一体当時はどれだけの技術を持っていたというんだ……
ここまでのバリエーションを生み出せるなんて……」
その事実はこれまで数多くの先史遺産を調査してきた天之御ですら驚きを隠せない。
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