第745話 猫を被る遺跡!?
「一体どんな仕組みで制御しているというの……」
余りにも大掛かりな仕掛けに一同は困惑を隠せない、そこに追い打ちを駆ける様に大型兵器も姿を現す。
「くっ、大型兵器まで……こんな状況で此奴を外に出したら大変な事になる!!何としてもここで破壊しなければ!!」
天之御がそう言うまでもなく、一同の見解は大型兵器の破壊で一致していた。
それ故に行動は早く、一同は素早く大型兵器に接近して攻撃していく。
流石に苦戦する程の相手ではなかったらしく、その破壊までに時間はかからなかった。
だが大型兵器が迫ってきたという事実自体が一同の脳裏に不安を過らせる。
「既に大型兵器まで投入してきているとなると、個々の兵器は一体どんなペースで生産されているんだ……」
「小型兵器と然程変わらないペースで大型兵器を投入、相応の設備があると思っておいた方がいいわね」
「それは分かっているけど、それ以上に気になるのはそんな設備が整っている先史遺産の遺跡を何故今までブントはしっかりと調査していなかったんだろう?」
八咫、星峰、涙名が続けて現状についての感想を述べるが、涙名が呟いた言葉は一同の内心に引っ掛かりを残す。
「ブントがしっかりと調査していなかったって、どういう事?」
「外の人族部隊がブントなのであれば当然この遺跡を調べ、そしてその問題点を把握している筈。
にも拘らず先日のコンスタリオ小隊の時もついさっきの交戦時も人族部隊は完全に先史遺産の兵器に手玉に取られていた。
もしブントがこの遺跡の事を知っていたのなら少なくとも何らかの対策を討っている筈、丸腰で不慣れな素人を態々こんな所に投入するとは思えない」
岬が涙名に問いかけると涙名はしっかり順序立てて説明する。
その説明には疑問を差し挟む余地はなく一同は首を縦に振らざるを得なかった。
「つまり、この先史遺産の遺跡はブント側もはっきりとは把握していなかった……」
「あるいはこの遺跡自体がこれまで猫を被っていたのかもしれないわね」
空孤が涙名の言葉に続けると星峰は只聴いただけでは間違いなく違和感を覚える言葉を続ける。
「遺跡が猫を被っていたって……どういう事なの?」
その表現に当然の様に岬が反応すると星峰は
「ブントがここから先史遺産を運び出している所を見ると少なくとも何も調査していなかったとは思えない、そう考えると可能性として在り得るのはこの遺跡がまだここまでの仕掛けを作動させていなかったという可能性よ」
と返答し、岬もなんとなく納得した様な表情を浮かべる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます