第706話 守る為に 守るべき物
人族部隊は善戦しており、兵器を見事に押し返している。
「あの部隊、どうやらミラノタウンに駐在している部隊の様ですね、そして交戦しているのは先史遺産、その背後にはシェルター、どうやらあの兵器はシェルターを狙っている様です」
「ええ、だとするとここは確実な手を討つわよ!!」
シレットが状況を見て判断するとコンスタリオはそう大声で叫び、一行はシェルターを防衛している人族部隊に加勢する。
「貴方方は……お力添えに感謝します、このシェルターには住民が避難しています、何としてもここで食い止めなければなりません!!」
人族部隊の指揮官らしき男性人族がそう告げるとコンスタリオは
「ええ、それは見れば分かるわ。
だから貴方達も気を抜かないで!!」
と叱責し、自分達の存在が油断を招く事が無いように釘を刺す。
だがその内心では
「とはいっても幾等何でも防衛部隊の数が多すぎる様な……このシェルターに全ての住民が避難しているというのであればそれも納得がいくけど……」
とこの人族部隊に対しどこか疑念を抱かずにはいられなかった。
「ええいっ!!此処から先は通さないぜ」
モイスはそういうと銃弾を兵器の脚部を狙って撃ち込み、その動きを封じていく。
兵器の装甲では大したダメージは与えられていないが、足を止めるには十分な攻撃であった。その隙を突いて一体はシレットが、一体はコンスタリオが、又一体は現地部隊が迎撃し兵器の数は瞬く間に減少していく。
コンスタリオ小隊が加勢して数分後、瞬く間に先史遺産の兵器は一掃されていた。
「よし、これで此処を狙っている敵はとりあえず迎撃出来たわね」
「ええ、お力添え頂いたおかげです。
お陰で此方の戦力も温存する事が出来ました、もし次が来たとしても十分迎撃出来ます」
「そうね、なら私達は別のエリアに向かい、そのエリアに侵攻してきているかもしれない先史遺産の兵器を掃討するわ」
コンスタリオは部隊指揮官とそう言葉を交わし、その場を後にしていく。
「ああ言ってましたけど大丈夫なんでしょうか?」
「あそこは大丈夫だと思うわ、寧ろ心配なのは他のエリアよ」
シレットが不安げな言葉を呟くとコンスタリオはそれを大丈夫と肯定的に否定するものの、その内心にはシレットとは異なる別の不安と疑問を抱いていた。
一方、思わぬ寄り道をする事となった天之御達であったがその後暫くして漸く目的地である司令官の居る施設へと辿り着く。
だがそこは既に先史遺産の兵器が周囲を取り囲んでいた。
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