第687話 追撃の最終局面

「い、一体何をなさるのです!?」


防衛部隊指揮官は一瞬困惑するがその直後、その砂埃が舞った後から大型起動兵器が出現し一同に攻撃を仕掛けてくる。


「あれは……大型起動兵器!?」

「オアシスの地下で交戦した兵器と酷似していますね」

「となると、その兵器と同系機か、或いはその改良型、後継機といったところか」


大型兵器に動揺する指揮官とは対照的にシレット、モイスはコンスタリオ共々冷静な分析を行う。

これが兵器と交戦した事があるが故なのか、それとも違うのかは見た目では分からない、だがコンスタリオ小隊の反応により、防衛部隊は速やかに大型兵器から距離を取る事が出来た。


「あの大型兵器を破壊しない限り此方の目的は達成出来ないわね、ここは私達が前に出ます、皆さんは後方に下がって警戒を!!」


コンスタリオがそう叫ぶと指揮官は


「いえ、ここは数で強引に押し切った方が……」


と反論しかけるがコンスタリオはその反論に対し


「いいえ、大型兵器は広範囲の攻撃、多数への攻撃に優れています、人海戦術ではむしろ此方の被害が拡大しかねません。

それにまだ増援が来る可能性も無いとは言い切れません、身の安全を確保する為にも貴方方は後方に御下がり下さい!!」


と告げ、防衛部隊に後方に下がる様に指示する。

その発言を受けて指揮官は


「りょ、了解しました……」


とコンスタリオの指示を了承するものの、それが指示を理解したが為なのか、それともコンスタリオの強い口調にたじろいだ為なのかは微妙な所である、それ程今のコンスタリオの口調は強い物であった。


そうこう話している間にも大型兵器は機関銃やレーザーを乱射し、人族部隊へと迫ってくる。

其れを確認したコンスタリオはモイス、シレットと共に兵器に接近し近接戦闘を仕掛ける。


「大型なら動きは鈍い筈だ!!」


モイスはそういうと素早く動き回りながら銃弾を撃ち込んでいくがその銃弾は兵器に到達する直前に弾かれてしまう。


「銃弾を弾く!?それだけ装甲が硬いって事かよ!!」

「違うわ、装甲が硬いのではなく装甲の周囲に魔術壁を展開しているのよ」


銃弾を弾かれた事で動揺した声を上げるモイスだがコンスタリオの言葉を聞き、


「成程……それだけ守りに自信があるって事かい!!」


と少し冷静さを取り戻す。


「魔術壁って事は……サンダー・ブラスト」


シレットはそう叫ぶと両手から雷を放つがやはり此方も到達前に魔術壁に弾かれてしまいダメージを与える事が出来ない。

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