第686話 転移する兵器
「敵のこの迎撃の速さ、ただ単に用心棒として兵器を送ってきているだけとは考えにくいわね、皆警戒を怠らないで」
コンスタリオがそう叫ぶとモイスやシレット、そして現地部隊の顔も引き締まったものになる。
その予感が的中したのかコンスタリオの端末に何かの反応を感知する。
「前方に転移反応を感知したわ、警戒を!!」
端末をみたコンスタリオはそう叫び、注意を前方に向かわせる。
「転移と言う事は魔神族まで来たのですか!?」
「いいえ、この反応は妖術ではないわ、人族の魔術よ、だけどこの状況でこんな所に転移してくるのが友軍とは思えない」
指揮官が叫ぶとコンスタリオは冷静に状況を説明する、コンスタリオ自身にも何故かは分からないが転移してくるのが友軍ではないという予感が脳裏を過っていた。
そしてそれは見事に的中し、前方から転移してきたと思われる機動兵器が多数立ち塞がる。
「やっぱり機動兵器でしたね……隊長の言った通りでした」
シレットはそういうと両手を前方に翳し、そこから雷撃を放って兵器を一掃する。
だが転移後から直ぐに新たな兵器が出現し、尚もコンスタリオ小隊に迫ってくる。
「敵の増援がもう来やがった!!このまま迫ってこられたら……」
「ええ、じり貧になるのは明白ね……迫ってくる兵器のみを迎撃し、深追いはしないで!!」
モイスが焦った声を上げるとコンスタリオもそれに一部同意する、だがそれに続いて現状の最善を伝え、それに従う様に告げる。
機動兵器は尚も迫ってくるものの、コンスタリオの指示通り防戦に徹した結果、人族部隊に被害を出す事無く切り抜ける事に成功する。
「転移先から兵器が出てこなくなりましたね……」
シレットがそう呟くものの、その言葉のトーンに安堵の気持ちは感じられない、それは
「ああ、だがあんな手を討ってきた以上、次の一手も来ると考えていいだろうな」
と告げたモイスも同様であった。
「考えていい……というよりももう来ているわ、其れもさっきより厄介な形で!!」
コンスタリオがそう告げると再び端末が反応し、前方に転移反応が確認される。
「又転移反応ですか!?しかも魔術系の……」
指揮官がやや動揺した声でそう告げるとコンスタリオは
「それだけじゃないわ、今回は……」
と飛空艇の標準を転移地点に向け、主砲を放つ。
だがまだ転移が完了していなかった為、主砲は地面に当たり砂埃を巻き上げる。
「まだ出現していないのに何を……」
指揮官は不可思議な声を上げるが、その砂埃は人族部隊の足を止める。
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