第679話 動き出すコンスタリオ小隊

「ねえ、この作戦……何か引っかからない?」


コンスタリオがそう呟いたモニターの画面にはこう表示されていた。


「東大陸ワンカーポ地下において数件の交戦記録あり、その事態を重く見た事により突入調査を実施、その結果、特に不自然な点は見当たらなかったものの今後への備えとして同エリアを調査、その責任者はイェニーが適任とする」


その表示を見たシレットが


「不自然すぎますね……何度も交戦記録がある場所を調べて不自然な点が無いのにそこの調査を続行した、しかもワンカーポに地下があったなんて事自体私達は知る由もなかったのに……」


と呟くとモイスも


「ああ、これはきっと何かあったな、其れも直接ここに記載できないレベルの何かが」


と勘繰るのであった。

その勘繰りはコンスタリオも同様だったようで


「しかもこれは私達が東大陸に向かう随分前に記載されているわ、となると私達がワンカーポに向かった時点ではこの調査はかなり進んでいたと考えてまず間違いない。

にも拘らず情報は一切伝えられなかった、伝える程の情報ではなかったかもしれないけど、もしそうではないのだとしたら……」


とこれまでのコンスタリオ小隊では思いもよらなかった想像が膨らんでいく。

それに気付いたコンスタリオは


「今までの私達からはきっと思いもよらなかった想像が膨らんでいくわね……これも魔神族と言葉を交わした事が影響しているの……?

でも、不思議と悪い気がしない、どういう事なのかしら……」


と自分達の内面の変化に戸惑いつつもそれに不快感を感じない事にも又困惑していた、だがその困惑は決して悪い物ではない。


「ワンカーポの地下に何かがある、もしワンカーポの制圧自体がそこに起因して行われたものであるとするなら、その何かがワンカーポを間接的に追い詰めたと見る事も出来るわね」


コンスタリオがそう分析するとシレット、モイスも黙って頷く。

そしてコンスタリオ小隊はこれで疑念を深めたのか、そこから繋がっている他の作戦記録にも調査を進めていく。

そして暫くすると……


「やっぱり……妙ね、いくら何でも」


と不意にコンスタリオが呟き、モイスも


「ああ、ワンカーポから繋がる作戦記録の内、先史遺産の遺跡が関わる物殆どにある名前が関係している、そしてその名前は……アンナース」


とアンナースの名前が多く出てきている事を不自然に思い、そう呟く。


「もしアンナースが裏側の組織の構成員だったとしたら、先史遺産を多く調べているのもその為に………」


そう邪推するコンスタリオだが、その邪推は的中していた。

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