第678話 これまでにない道へ
「そうね、それが一番確実な方法かもしれないわ。
それに仮に直ぐには情報が得られなかったとしても私達が見た物をスターに伝えれば今後スターがこうした情報を更に送ってきてくれるかもしれない」
モイスの提案にコンスタリオはそう答えると早速端末を起動してスターにメッセージを送る。
そしてそれを確認すると
「さて……スターからの返答をただ待っているという訳には行かないわね、まずは今までに起こった戦乱のデータをもう一度洗い直してみましょう。
恐らく既に裏の勢力の手は加えられているでしょうけどそれでも不自然な点はあるかもしれないわ」
こうコンスタリオは伝え、先程の有言を実行する事を改めて宣言する。
「不自然な点……確かにあるかもしれませんが、例えばどんなものが該当するんです?」
コンスタリオの言う不自然な点に対し疑問を投げかけるシレット、彼女自身も又不自然な話については同意しているものの、その具体的な部分については真意を計り兼ねていた。
「そうね……例えばシレットの故郷の襲撃等もそれに該当するわ」
コンスタリオが例え話で出した一言はシレットの顔色を変える、当然と言えば当然ではあるが、その表情は驚嘆という言葉でさえ説明出来ない様な険しさを見せていた。
「私の故郷が……どういう事なんです?」
シレットが思わず強い口調でコンスタリオに迫るとコンスタリオは
「貴方の故郷の話を聴いた後、私なりにその事を知った方が良いと思って 調べてみようと思ったの、だけどどんなに探してもその案件に辿り着く事が出来なかった。
単なる一件の襲撃として考えると全く情報が開示されていないのは不自然すぎるでしょう」
と説明し、その説明を受けるとシレットは
「確かにそうですね……幼い私の提供した情報ではその全体を把握する事は出来なかったとしても全く情報が開示されていないなんて……」
と納得した様子を見せモイスも
「ああ、少なくとも同様の襲撃に対応する為に戦況の情報を提供する理由はある筈だ」
と同じく同意した表情と意見を出す。
その様子を見たコンスタリオは二人の同意を得る事が出来たと感じたのか端末からデータベースにアクセスし、様々な襲撃の案件を探っていく。
しかし、そう簡単にこれまで歴史の裏に隠れていた存在の痕跡を見つけられる筈も無く今までであれば諦めてしまうそうになる。
だがコンスタリオ小隊は諦める事無くデータの洗い出しを続けていく。
するとそれが実ったのか一つの案件が目に留まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます