第547話 共闘の終焉

直ぐに溶ける氷に一件意味が無い様に見える魔神族の行動、だがその直後、上空から魔神族の妖術の印が出現しその氷が張られた場所に覆い被さる。


「!?あの印は一体……魔神族の妖術ではあるようですけど……」


突如として出現した印に困惑するシレット、その印に目をやると氷が張られた場所に降下し、その下にある溶岩へと入って行く。


「溶岩の中に印を……一体何を狙っているの?」


魔神族の行動の真意が読めず、シレットと同様に困惑を隠せないコンスタリオ、だがその直後、溶岩の中から何かが弾け飛ぶ様な音が聞こえ、それと同時に次々と出現していた兵器が突如として出現しなくなる。


「兵器の出現が止まった!?一体何が起こったんだ?」

「……そうか、あの溶岩の下には兵器の出現口となる転移術の出口か何かがあったのよ!!」


困惑を続けるモイスに対し疑問が解けたのか明確な返答を返すコンスタリオ、その口調には確信が確実に感じられ、その自信の程を伺わせる。


「なら、あの氷は場所を特定して教える為に放ったと言う事ですか?」

「ええ、あの印を出現させたのが何処にいる誰なのかは分からないけど、それはもう間違いないと思うわ」


シレットの返答にも自信を持った回答をするコンスタリオ、その自信はやはり確信に満ちていた。それだけその状況はそう感じられると言う事なのだろう。


「何れにしてもこの状況は好機よ!!一気に兵器を殲滅するわ」


コンスタリオがそう言うとシレットとモイスも頷き、そのまま兵器の集団に突入し、最早数のみとなった兵器を蹴散らし、薙ぎ払っていく。一方の魔神族部隊もそれに加勢するかのように兵器への攻撃を再開し、兵器の数は瞬く間に減っていく。


「ブレード・キック!!」


コンスタリオがそう叫び、兵器の集団に足から斬撃の衝撃波を放って兵器を両断した事で兵器は全てガラクタの山と化し、その侵攻を阻止する事に成功する。


「これで兵器は片付いたわね、後は……」


コンスタリオはそう告げると岬達魔神族の方へと顔を向ける。顔を向けられた岬達も又コンスタリオの方へとその顔を向ける。


「どうする……例え相手が一人でもこの状況では……」


コンスタリオの内心には明らかに迷いがあった。この状況でどうするべきかと言う迷いが。だが岬達はその迷いを感じ取ったかのようにその場に出現した転移妖術の印で何処かへと移動していく。その去り際に穏やかな笑みを浮かべながら。


「笑み……私達に余裕を見せつけているの……」


笑みに不快感を示すシレット、だがコンスタリオにはその笑みは嫌味や皮肉ではなく、寧ろ嬉しさを表している様に見えていた。

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