第426話 頼みの綱との繋がり

しかし、アクセス可能な範囲にあるデータベースにはその事件と思われるデータは全く見つからない。暫く探してみるものの結果は同じであり、それを知ったコンスタリオは


「どういう事なの?ここからアクセス出来ないとなるとより上位に位置する情報と言う事になるんでしょうけど、シレットの話によればそれは通常の襲撃に過ぎなかったと言っていたわ。にも拘らずこれは……」


と口にして疑念を抱き、更に詳しく調べていこうとする。だが重要な機密情報にそう簡単にアクセスできる筈も無く、早くも暗礁に乗り上げてしまう。


「駄目ね……この本部からアクセス出来るのはせいぜいその事件があったという様な初歩的なデータに過ぎないわ。これじゃ調べようがない。キャベルに戻ればもう一寸ましなデータにアクセスできるのかもしれないけど……」


とぼやくコンスタリオ。だが彼女の内心にあるのは焦りや怒りではなく不安であった。シレットが虚言を言う筈がない。だがそのデータが存在しない。それは大きな不安である。


「さて、こんな時どうするべきか……彼に通信を送ってみましょう、もしかしたらシレットの事件について何か知っているかもしれないし」


と言い、端末を操作して先日スターから届いたメッセージの送信先に返信と言う形でメッセージを送る。それが終わると椅子に座り直し、その姿勢を大きく崩す。たまっていた疲労が一気に表面化した。そんな印象を受ける座り方である。


「ふう……私も休んだ方がいいのかしら……」


自信の疲労を自覚したのか、座りなおした直後にコンスタリオはそう呟く。そして立ち上がってシャワーを浴びると下着だけを身に着け、そのまま床へと倒れ込む。やはり疲労していたのだろう。一方、そんな彼女が送信したメッセージは丁度その時端末で那智街で入手したデータの解析を行っていた星峰の元に届けられていた。


「メッセージ?コンスタリオからだわ……一体何が?普段であればこんな状況でメッセージなんて送ってこないのに……それだけの事が起こったと言う事なの」


コンスタリオからのメッセージを受け取った星峰はその内心に懸念、不安を抱える。それを払拭するかのように星峰は直ぐにメッセージを読む。するとそこには


「ねえ、スター、シレットの身辺について何か知っている事は無い?実は今日……」

と書かれており、そこからコンスタリオ小隊に会った事を星峰が知る事となる。そしてその文章の最後には


「追伸 ねえ、スター……人族と魔神族が共生することってあり得ると思う?」


と言う一文で締めくくられていた。

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