第265話 岬の提案
遺跡の内部にワープした天之御達は前回の訪問時に星峰が入手した地図を見ながら今回捜索するエリアの選定を開始する。
「さて、今回は何処を調査する?」
八咫がそう言いながら地図を覗き込む。
「あの……いいですか?」
そう遠慮がちな声を上げたのは岬だった、その質問に対し
「構わないよ。そんな遠慮がちにしなくても」
そういいながら発言を促す天之御、その次に岬が話したのは
「今回はこの方角を調べてみたいんです」
そういうととある方角を指で指し示す。その方角は前回の調査エリアとは真逆ではないものの離れており、調査対象としては適切な回答に思える。だが何故岬が遠慮がちに提案したのか、その点が気になった空弧は
「どうしてここを調査したいの?」
と質問する。すると岬は
「この方角は地上世界だと丁度西大陸がある方角になるんです。もし例の兵器の襲撃が本当にここに居るような亡霊達の仕業だとしたら方角的にもここを調べれば何かわかるんじゃないかと思って」
と回答する。岬の言う通り、この方角は確かに地上世界であれば西大陸に向かうルートであった。
「成程、もし仮にここから兵器が出現したのだとしたらその方角から襲撃してきた化膿性はあるね」
「ですが、この遺跡の兵器と亡霊が西大陸を襲撃するなんてあり得るのですか?」
「地上世界の技術だけならかんがえにくいはなしではあるけどここは先史遺産の遺跡だからね。あり得ても不思議じゃない。それに転移妖術と同じ効力を持つ技術も存在しているからね」
涙名の疑問に回答しつつ、岬の考えを肯定する天之御、それは現状では岬の提案に乗る方が良いと判断した結果でもあった。天之御が賛同したことが功を奏したのか、他の面々も反対はせず、岬の提案は採用される。そしてその提案に従い、岬の指示した方角へと移動を開始する。
それから暫くすると以前訪れた時と同じく靄が一同を包み込み
「これは……」
と言って警戒し身構える。
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