第264話 忌むべき亡霊達
「今回、オアシスに表れたとされる先史遺産の機動兵器は地面の下から現れた、でもあの辺りで先史遺産の遺跡が発見されたという情報は入って来ていないんだ。これが何を意味しているか分かる?」
天之御がそう問いかけると涙名ははっとした様子を見せる。その問いかけの意味を理解した様子だ。すると続けて
「つまりその兵器は地面の下から明らかに攻撃の目的をもって動いてきた。けど遺跡の罠だとしたらそんな動作を起こすとは思えない。つまり考えられるのは知らず知らずの内に侵攻する命令系統を含んだ罠が起動していたか、あるいは……」
「明確に侵攻する意図を持った何者かが兵器を差し向けてきたか、この辺りと言う事になるのよね」
涙名の回答に続き星峰も言葉を続ける。どうやらコンスタリオ小隊に関連しない話であれば何時も通りに受け答え出来る様だ。それを見て他の面々は顔にこそ出さないものの、内心で胸を撫で下ろす。星峰の動揺が今後に齎す影響は決して軽くないという事は分かっていたからだ。
「もし後者だとするとそれを行ったのは……」
星峰の仮説に空弧が続く、すると星峰は
「確証はないけど、以前先史遺産の中で交戦したあの亡霊達が可能性としては一番高いわね」
と続ける。その仮説に異論を唱える者は居なかった。現状では最も可能性が高いのはあの亡霊たちであるという認識は満場一致だったからだ。
「星峰の仮説を確かめる為にも僕達はこれからあの森の遺跡の第二次調査に向かうよ。既に向こうに事情は話して許可は下りてる。もし亡霊達がこの世界に侵攻しようという意図を持っているのだとしたらそれは何としても阻止しないといけない」
天之御の言葉にも異を唱える者は居なかった。それが事実であることは明白だったからだ。それを確認すると天之御は早速転移妖術を使い、一行を転移させる。その先は遺跡の内部に直接であった。
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