第266話 境目の施設

すると案の定前回同様に目の前に明らかに戦闘用と思われる小型兵器が何体も出現する。


「やはり……兵器ですね。外見は前回来た時に交戦した物とは異なりますが」


岬がそういうのと兵器が攻撃を仕掛けてくるのはほぼ同時であった。機関銃を乱射し、ビームを放って一同に襲い掛かる兵器にし直ぐ様回避行動に移り、直ちに反撃する一同。素早く接近して兵器に格闘、剣術を入れ、破壊に成功するものの、それに対する反応が只の兵器より明らかに速かった事を星峰は見逃さなかった。


「今の兵器、こちらの攻撃に対する反応が明らかに只の兵器より早かった。やはり亡霊が憑依しているの……」


靄は晴れ、兵器を退ける事には成功した物の、確信の無い不安は星峰の中に確実に存在していた。だが一同はそれでも足を止める訳には行かない。岬の提案通り、地上における西の大陸への道を進んでいくとそこで前回の調査時に調査した施設より明らかに巨大な施設を発見する。


「こ、これは?入手した地図にはこの施設は記載されていませんが……」


星峰が入手した地図を手にしながら空弧がそういうと星峰は


「だとするとここは県境の様な物なのかもしれないわね。ここから先は地図の入手した場所とはまた違う組織が管轄していたのかも。だとすると警戒しておいた方がいいかもしれないわね」


と仮説を直ぐに立て、


「ああ、この遺跡で内乱が起こっていたのだとしたら境目が安全地帯になっているとは思えない。入った瞬間に蜂の巣にしようとしてくるなんてことも十分考えられる」


天之御がそれに続けて警戒心を持つ様に告げる。そして一行がその中に入って行くとまるで天之御がそう言っていたのを聞いていたかのように入り口に仕掛けられた機関銃が乱射される。


「案の定って訳かい!!黒羽貫矢」


八咫はそう言って先端を鋭く尖らせた羽を放ち機関銃を貫いて破壊する。


「入った瞬間に迎撃か……ここは軍事拠点だったのかもしれないわね」


入ってすぐの攻撃に対しても冷静に分析する星峰、この冷静さは一体どうやって培われたのだろうか、周囲の面々は時折その点を謎として考える。


「となるとバラバラに動くのは危険ね、罠が他の面々を危機に陥れる可能性もある以上、今回は纏まって行動するべきだわ」


星峰の提案に従い、一同は纏まりながら奥へと進んでいく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る