第228話 アンナースという存在
「幹部クラスって……もしかして今まで何度も私達と交戦し、スターの体を奪ったあいつ等なの?」
顔だけでなく声まで引きつるシレット、一度捕らわれまでした身である以上そうなってしまうのは仕方ない部分もあった。
「恐らくそのあいつらで正解だと思うわ。火口に入って行く所を部隊の仲間が目撃し記録して居たから。そして魔神族幹部の画像は既にキャベルから各タウンに提供されているの、既に照合も済んでいるわ
アンナースはそう話を続け、その記録した画像を見せる。そこには間違いなく天之御や星峰が映っていた。
「やっぱりあいつ等だわ……でも何で火山に」
「それは分かりません。ただ、魔神族が来る少し前から活性化していた火山活動がその後沈静化したと言う事から魔神族が何かした可能性は高いですね」
アンナースの読みは鋭いのか、天之御達が訪れた理由を的中させていた、だがコンsヌタリオ小隊はその発言に違和感を覚える。
「奴等が火山活動を沈静化させた?一体何の為にそんな事を……」
「近くにある魔神族のエリアを守る為にそうやったと考えるのが自然な流れでしょ。ただ、奴等にそんな慈愛の心があるのかという点は疑問として残るけど」
コンスタリオが口にした違和感をそのまま当てるアンナース、その軽い口調とは裏腹な発言にコンスタリオ小隊もどこか緊張感をもって話すようになる。
「まあ、そんなわけだからここも何時魔神族の攻撃を受けるかわかんないのよね。だからお互い警備頑張りましょ」
アンナースは最後にそう告げるとその場から走って去っていく。その親しみやすいのかそうでないのか分からない行動にコンスタリオ小隊は何処か言い知れぬ感覚を覚える。
「何なんだったんでしょう、あの子……口調は軽いですけど……」
「ああ、行っている事は至極まともだ、だけど何か引っかかる」
「ええ、その内心に何かを抱えている、そんな雰囲気があるわね」
アンナースが去った後、コンスタリオ小隊は口々にその印象を述べ、その結果がどこか油断ならない存在であるという点が一致する。
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