第227話 アンナースとの出会い
~現在~
「それにしても、このご時世に新たなタウンを建設するなんてこの計画の主導者はよっぽど自信があるのかしら?それにしては防衛を私達に依頼してくるなんて所が引っ掛かるけど」
軽い口調でさらりと言うシレットだが、その疑問は最もであった、故にモイスもコンスタリオもその口調は否定せず、頷いて同意の意思を見せる。だがコンスタリオの内心には
「自信があるのか、或いは魔神族側にここに攻め込みにくい何らかの事情があるのか……どちらにしても確かに気にはなるわね。くれぐれも寝首を書かれる事は無いようにしたいところだけど」
とシレットと共通の疑問とは異なる疑問が渦巻いていた。そこに
「貴方達がキャベルから来たって言う部隊?」
という声と共に人族の少女が一人コンスタリオ小隊に話しかけてくる。
「え?あ、ああ、そうだが……」
唐突に声をかけられ、戸惑いながらもモイスが返答するとその少女は
「そうなんだ~確か少数でも数々の戦果を挙げてきたブエルスの小隊だったわよね。あ、遅れたけどあたしはアンナース。イスール防衛部隊第一部隊の隊長よ」
と軽い口調で語る。
「た、隊長なの貴方?」
「ええ、これでもね。でもそれを態々聞くって事は貴方、今の発言を信じてないでしょ」
図星を刺され、思わず黙り込むシレット。だがシレットがそう思うのも無理は無かった、自分より低い背格好、軽い口調、どう考えても、少なくとも一般的な軍隊の隊長像とは程遠い少女だったからだ。
「まあ、何時もの反応だからそれはもういんだけどね、それよりも聞きました?」
アンナースの唐突な質問に困惑するコンスタリオ小隊、その問いかけに
「聞いたって……何を?」
と聞き返すのが精一杯であった。だがその直後にアンナースが言った
「先日、西大陸にある火山に魔神族の幹部クラスが現れたって事」
という発言に三人は顔を引きつらせる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます