第216話 異質な防衛者
転移した先は例の秘密基地であった。到着早々に一同は霊諍の元に向かう。
「魔王様、又新たな先史遺産を回収されたのですか?」
その霊諍の問いかけに天之御は
「うん。けど今回はこれまでの物とは何か違う。遺跡の中になかった上、防衛システムも今までと異なっていたんだ」
「防衛システムが異なっていた?」
天之御の言葉に引っ掛かりを覚えた霊諍はその引っ掛かりを口に出して確認する。天之御はその問いかけに対し起こった事を余すところなく説明する。その説明を聞いた霊諍は
「成程……それは確かに今までになかったケースですね」
と首に手を当てながらも合点がいった様子を見せる。そして
「分かりました、至急解析に入ります」
と解析に同意する。その返答に天之御は
「ありがとう。只、今回の様な防衛システムがもし他の先史遺産にも仕掛けられていたら今後の回収に支障をきたす可能性が高い。だからこの解析は他の何よりも優先して行って。最悪現在解析中の技術を後回しにしてもいいから」
と感謝しつつも更に注文を付ける。その注文を受けて霊諍は
「分かりました、最優先で解析します」
と二つ返事で変t脳する。だがこの二つ返事からは単に注文を付けられたからこうするわけではないという意思が伝わってきた。恐らく霊諍は初めから解析を優先して行うつもりだったのだ。それだけ今回の防衛システムが突出して異質だと言う事なのだろう。その返答を受けた天之御は
「お願いするよ。僕達はブエルスに戻り今回の一件について整理する」
と言い、再び転移妖術を用いてブエルスに帰還する。そして帰還し、何時もの様に謁見の間に集合すると空弧は
「結局、あの宝玉の防衛システムは何だったのですか?岬の故郷を襲撃した兵器の同型が出現したのは分かりましたが……」
と今回の意見で最も大きな疑問を口にする。それに答えたのは
「解析結果がでないと断定は出来ないけど、恐らくあれは……」
と言う星峰の声であった。
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