第215話 超える壁
「ほ、星峰、何を……」
同じ力を持つはずの空弧でさえ、星峰が何をしているのか分からず細々と問いかける。だが星峰は何の反応も見せず、空弧の言葉を聞いているのかいないのかもわからない。そして光が消滅すると
「やはりね……岬、あの兵器は今ここで生み出された物よ。外見や性能は貴方の故郷を襲った物と同一の様だけど」
と淡々と告げる。
「ど、どういう事!?今ここで生み出されたって?」
意味が分からないと言った風で混乱する様子を見せる空弧達、だが只一人天之御はその言葉の意味が分かっている様で
「なら、あの宝玉をここ居置いておく訳には行かないね!!」
と告げると宝玉への接近を試みるがその前に兵器が立ち塞がり、左手の機関銃によるイ攻撃を受ける。だが天之御はそれを難なく躱して兵器の頭部にあるカメラアイに接近し思い切り蹴り上げる。するとカメラアイに強い衝撃が走り、それで混乱したのか兵器のバランスが崩れる。
「やっぱり凄い……私じゃあそこまではいかせられなかったのに」
唖然と見つめる岬に天之御は
「何をしているんだ岬!!こいつは君が倒すんだ」
と檄を飛ばす。だがその発言は岬本人には全く意図が分からない様で
「え……どういう事です……」
と明らかに困惑した表情を浮かべる。だが天之御は
「こいつは君の故郷を襲った兵器と同じだ!!その壁を超える為にも君が倒すんだ!!」
と更に劇を飛ばし、それに勇気づけられたのか岬は
「は、はい!!今度は、今度こそは負けません!!」
と言って立ち上がり、全身を黒い闘気で包む。そして兵器に接近すると
「破撃乱舞!!」
と言い、鋭い格闘術を次々と兵器に叩き込んでいく。そして最初は耐えていた兵器も次第に外観が歪み傷や打撃痕が残っていき、乱舞が終わる頃には単なる鉄くずと化していた。だが鉄くずと化した直後、兵器は光の粒子となって消滅していく。
「今の消滅の仕方、従来の兵器では起こらなかった現象ですね」
豊雲がそう告げると天之御は
「その現象を突き止める為にもあの宝玉を至急回収するよ!!」
と言い、宝玉を回収して早急にその場から転移妖術で移動する。
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