第201話 その流れは止まらず

「攻撃が来ましたね!!でも一体何処を狙っているんでしょう?」


シレットが疑問に思うのも最もであった.まだ敵の姿が見えてもいないのに闇雲に攻撃する、それは此方の位置をみすみす教える行為に他ならないからだ。まして攻撃が地面にあたっているのであれば牽制にもなりにくい。


「兎に角、敵が居場所を教えてくれたのは好都合よ。直ちに反撃を」


コンスタリオはそう言って反撃体制を取らせようとするがそこに遅れてきた他の人族部隊も合流する。


「おおっと、俺達を忘れてもらっちゃ困るぜ!!で、敵はもうそこに居るんだな」


合流した兵士が軽いノリで話しかけてくる。だがその口調とは裏腹に顔と行動は真剣そのものであった。その事を感じ取ったのか、コンスタリオも


「ええ、既にこちらに攻撃を仕掛けてきている以上、既に開戦していると考えていいわ。敵の増援部隊に警戒しつつ迎撃を」


と口調の事を持ち出しはせず真剣に指示を出す。その言葉を受けて合流した人族部隊は勢いに乗り、魔神族が居る方向へと移動車を向かわせる。


「我々も迎撃体制を取ります」


防衛部隊指令がコンスタリオにそう告げる。


「分かりました、では私達も出撃します」


コンスタリオはそう告げると基地の外に出てモイス、シレットと共に自ら前線へと赴く。それを見届けた防衛部隊司令は


「彼等が噂の……確かに頼もしい存在ではありますね」


と何か意味ありげな発言をするのであった。そんな事を知る由もないコンスタリオ達は先に前線に向かった部隊の後を追い、そして合流する。だが彼らが合流するまでもなく、人族部隊は魔神族部隊を完全に劣勢に追い込んでいた。


「くそっ、こいつらの勢いなんなんだよ!!」


魔神族の兵士が吐き捨てる様にそう叫ぶ。その叫びに対し人族部隊の兵士は


「ワンカーポを始め、これまで好き勝手やってくれた礼だ。遠慮せずたっぷりと受け取れ!!」


と告げ、怒涛の攻撃を加えていく。

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