第200話 西大陸開戦

シレットが集合すると既にそこにはキャベルの部隊も含め集まっていた。ついさっきも同じ場所に集まっていたにも関わらず、その場に集まった兵士の顔つきは既に先程までとは違っていた。そして目の前にキャベルの司令官が立つと


「君達に集まってもらったのは他でもない、実は先程西のオンディーズタウンより通信があり、西大陸の魔人族の動きに不審な点が見られるという事だ」


と告げる。その発言に続いてモイスが


「けどそれだけじゃないんでしょう。それだけなら態々警報なんて鳴らさない」


と問いかけると司令官は


「その通りだ。この通信が送られてきた直後、オンディーズタウンに魔人族の部隊が接近しているとの通信が続けて送られた。どうやら元々は最初の通信だけで終わるつもりだったようだが突如の襲来に続けたようだ」


と警報を鳴らした理由を説明する。それを聞き兵士達の何人かは警報の意味を察する。


「東の大陸が陥落した今、西の大陸まで続けて陥落させられる訳にはいかない。従って我々も出撃し、オンディーズタウンに接近しつつある魔人族部隊を排除する」


司令官がそう告げるが告げるまでも無く兵士達はその事に感付いていた。その顔は全員先程までとは違う、これ以上魔人族に好き勝手はさせないという決意に満ちていた。


「では、出撃する!!」


司令官がそう告げるとその場に居た面々は素早く移動車に乗り込み、コンスタリオ小隊も飛空艇に乗り込んで操縦席に向かう。


「イェニーさん……貴方の残してくれた物、無駄にはしません!!」


シレットは内心でそう思って自信を鼓舞し、飛空艇を起動させて戦場へと飛び立つ。

オンディーズタウンに真っ先に到着したのは言うまでも無く空から来た飛空艇である。到着したコンスタリオ小隊はまず地上に降りてオンディーズタウン内の防衛部隊司令室に向かい、そこで状況を確認する。


「開戦はまだしていないのですね」

「ええ、先日のワンカーポの一件もありますし、迂闊に戦力を見せない方がいいかと考えています。ですがそろそろこちらも戦力を展開し、敵を牽制する必要があります」


コンスタリオが司令官と会話を交わした直後、侵攻中の魔人族部隊が突如として妖術を飛ばして攻撃してくる。その攻撃は地面に当たり、砂埃をまき散らす。

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