第3話 ルイナ皇子

四人が思い思いに料理を口に運んでいく最中、突如として食堂前方のステージに一人の少年が立つ。その少年は


「皆さん、本日も訓練お疲れ様です。本来であればここで労いのお言葉を・・・と言いたかったのですが・・・」


少年がそう発した瞬間、食堂内がざわつく。


「という事は、何かあったのですか?ルイス皇子」


コンスタリオがざわつく中で少年の名を呼び、質問を行う。


「はい。実は先程、軍上層部より直接指令があったのです。先日魔神族に占拠されたフルル運河近くにあるピスティアタウンを奪還する作戦に戦力を派遣してほしいと」


質問に対し、ルイナ皇子はそう告げる。


「成程、フルル運河は現在の所双方の領域を二分する分け目代わりの地形。そこのこちら側を落とされて放置していては今後の侵攻の足掛かりにされかねないという訳か」

「けどよ、戦力の派遣って言ったって一体どういう理由で・・・」

「理由は良い、俺はただ魔神族を排除するだけだ」


何処か不満げな声を挙げるモイスに対し、スターは単刀直入に告げる。


「コンスタリオ小隊、今回の作戦には貴方方を当てがいます」

「了解しました」


ルイナ皇子がそう告げるとコンスタリオ達はすぐさま立ち上がり敬礼を行う。それを見たルイナ皇子は何か意味ありげな表情を向ける。それを見たスターは少々呆れた顔を見せる。


「健闘を祈ります」


ルイナ皇子がそう告げ、ステージから降りて食堂を後にするのを確認した後、その場に居た全員は食事を再開する。


その後食事を終えるとスターは一人で何処かへと向かう。そしてとある部屋の前に着くと


「待っていたよ、スター」

「あの顔はよせと何度も言っているだろう」

「ああでもしないと君は気付いてくれないでしょう」


そう言いながら部屋の扉を開けたのはルイナ皇子であった。ルイナ皇子は自身の部屋にスターを招き入れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る