第五話

合宿から帰ってきて、翌日からいつものように部活。

「ちわーっす」

「今日のパ○ツ何色ー?」

「白~」

「白です」

「奇遇だな!僕も白だぜ!」

「毎日よく飽きないな」


「というかそんな下着の色聞いて楽しいか?」

「楽しいよ~」

「パ○ツの色は性格を写すってな!」

「ごめん理解できない」

「あと、誰がどんなパ○ツを盗んできたか分かりますし」

「あ、もしもしお巡りさん?」


「どうでもいいけど、今日こそ囲碁将棋...」

「たのもー!!!!」

「「「「...」」」」

「え、ここにきて新キャラかよ」

「上履き青いから一年生ですね」

「下級生なら、敬語の玲菜ちゃんとキャラ被っちゃうね~」

「それは困ります」

「混沌の深淵から現れし我の相手をするのはどなたか」

「まさかの厨二っっっ」


「えーっと、入部希望かな?」

「集いし『宵闇の棋士達(トワイライト・ナイツ)』よ、我、冥界の真王デルロスを『閃光の騎士(ホーリー・ナイト)』として認めたまえ!!」

「うん、入部したいんだね」

「囲碁ですか、将棋ですか?」

「我と共に業火から生まれし『火焔の騎馬(フレア・ファラスィ)』を操りし者...」

「将棋ですね」

「めんどくさ」


「じゃあ俺が相手してあげるよ。互戦でいい?」

「冥界を束ねる暗黒の覇者と黄金の巨神兵で我にかかってくるがよい」

「...ん?」

「冥界を束ねる...」

「8コマ落ちってこと?」

「(頷)」

「初心者ってこと?」

「(頷)」


「えっと(困惑)、駒の動かし方は分かる?」

「『火焔の騎馬(フレア・ファラスィ)』と『銀色の巨神兵(シルヴァー・ソルジャー)』が我の命に逆らう...」

「桂馬と銀か...ねえ、その喋り方なんとかならない?」

「これが我の真の姿...」

「そうですか」


「王手...これで詰みかな?」

「なん...だと...!?何故だ!何故我が負ける...」

「しょうがない気がする」

「お前本当に将棋強いんだな」

「当たり前だろ、何のためにこの部活に入ったと思ってんだよ」

「え?僕らとラブコメ送るためじゃないの?」

「なわけ」


「てか、お前らは将棋できねえのかよ」

「できないよ~」

「できるわけないだろ」

「できません」

「じゃあ囲碁は...」

「「「できなry」」」

「ほんとなんで囲碁将棋部にしたの?」


「じゃあいつものようにエ○マンガ見るか」

「え...え○...!??」

「お前らやめろ、新入生困ってんだろ」

「だ、男女の交わりを描きし不埒な本があるのか!?」

「もはや中二言葉じゃないだろそれ」

「わ、我にもその不埒の程度を見せるがよい!」

「揃いも揃って変態か」


「そもそも我の目的はこの不埒な魔導書を拝むこと...」

「は?」

「あー、一時期掲示板にふざけて張ってありましたからね~」

「...何をだ」

「これだよ~」

『囲碁将棋部

 毎日エ○マンガを見てわいわいやってるよ!女の子ばかりだけど男の子も大歓迎!

 興味ある人は入部してね!』

「ま、生活指導の奴にすぐはがされたけどな」

「当たり前だろ」


「新入生くらいまともな奴が来ると思ったのにそれのせいでその望みすら絶たれたんですけど!!?」

「まあエ○マンガでも見て落ち着けよ」

「落ち着けるかっっ(怒)」

「こ、これが殿方の聖域...」

「お前もお前で染まってんじゃねえ!」

「これにて、我と同盟の契りを結びたまえ」

「本来ならやだよ」


「はい、入部届確かに受け取りました~」

「我はこれより『宵闇の棋士達(トワイライト・ナイツ)』として『聖なる城(エンシャント・キャッスル)』を護衛せし」

ガラッ。

「Hi、コニチワ。入部届、受ケ取リニ来マシタ。新入部員サンデスネ。コレカラヨロシクオネガイシマス」

「貴公と友好の契約を結び、共に『聖なる城(エンシャント・キャッスル)』を護ろうではないか」

「??ヨクワカリマセン」

「通訳雇え」


説教するのもなんだか馬鹿らしくなってきたこのごろ。

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