第4話 群れる&空気を読む日本人

 日本人はとにかくシャイで、だからLARPは流行らないのだという話を聞くが、そんなことはない。日本人は確かに他の国より比較的ノリが悪いと思われているが、環境を整えると大きく変わるものだ。


 例えば、参加者さんに一人、ゲームスタッフがパーティーに付き添うNPCとして一緒に行動しているとしよう。または、LARPに非常に慣れた人が居ても良い。その人たちが楽しくゲームしているうちに、いつの間にか初めての参加であっても、一人、また一人、一時間もすれば全員がゲームに溶け込んでいる。


 多少はメタ発言は飛び出すが、ゲームの進行を妨げたり、シラけさせることはない。(例えば参加しながら漫画を読んでいたり、他の参加者と隅でお喋りしていて実質参加していない等)これは、面白いことに、レイムーンLARPでも起こっている現象だ。その秘密は、日本人は「他者と目立ちたくない、周りに合わせるのに長けた」民族であるということなのだと著者は思うのだ。


 例えば、Aさんが世間的に見て1人だけ目立ったことをしている。Bさんは隣に居るが、居心地は悪く、出来るだけ世間に合わせ、Aさんとは他人のふりをしたがるかもしれない。しかし逆に、Aさんの目立ったことをする人たちがたくさんいて、Bさんは1人だけそれをしていなかったら? Bさんは居心地悪く思い、周りに合わせるため、Aさんの世間的には目立っていた行動を真似するようになるだろう。特に閉鎖的な空間だと、それが起こりやすくなる。


 なんだか怪しい話になってきてしまうが、これをLARP、特に屋内で人目を気にしないゲームに置き換えると、理解がしやすいのではないだろうか。もちろんLARPは怪しくもなんともなく普通のゲームだから、入ってしまえば、割とすんなりと遊べるものなのだ。大事なのは、むしろ、新しい世界に飛び込んでみる勇気なのかもしれない。

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