第十六章 同族の末路

第362話 人を小馬鹿にしない

 場面変換は・・・しません!やったね!!


 許昌にて。

 袁紹の進行を食い止めた曹操は、のほほんとした日々を過ごしていた。


(あっ!? 蝶々だ!)


 今日も曹操は丞相府の庭先で、趣味の詩を作りながらのんびりとした一日を過ごしていた。

 ところへ、郭嘉かくかがやって来て、


「お取次ぎいたします。」


 と、拝礼した。


「郭嘉か・・・何かあったか?」


「コレをお持ちいたしました。袁紹からの書簡です。」


「袁紹からの?・・・ともかく一読しよう。」


 先の出来事を思い出し、曹操は怪訝な表情を浮かべながら書簡を開いた。

 そして、一読した後、


「はーっはっはっは!こいつはおかしい!笑い話だ!冗談きついぜ!はーっはっはっは!!!」


 と、からからと笑いだした。


「実に虫の良い話だ!先頃、私の留守を狙って許都に攻め入らんとしたくせに、北平の公孫瓚こうそんさんと国境争いを起こしたから、兵糧と軍兵を出資してくれと言って来おった!・・・ふざけるな!!」


「なんたる傲慢!なんたる不心!この曹操をどこまでなめるつもりか!!」


 笑いから一転、怒号を放って不快な色を面上にみなぎらせ、曹操は袁紹からの書簡を地に叩きつけた。

 そして、なお、その余憤を郭嘉にぶつけた。


「あいつは昔からそうだ!自分の地位を鼻に掛け、人の器を量ろうとしない!」


「私は日頃、帝の御名を持って政務の文書を交わしているにも関わらず、あやつは不遜の語を並べて、私を一使事としか見ておらぬ!」


「無礼千万!失礼千万!」


「天狗猿のおごれる鼻をへし折ってくれん!あやつの兵を狩りとって見せようぞ!!」


 激色を持って袁紹と戦を始めようとする曹操。

 そんな彼をなだめるべく、賢人 郭嘉は、言葉を発するのであった。

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