第161話 話が進展しなくて何が悪い

(ま、まさか・・・そんなはずはない!!)


 呂布は護衛隊長の話が信じられずにいた。

 愛する貂蝉が上司の糞ゴミデブ虫と夜を共にしたというのだ。

 呂布は閣の周辺をウロウロとうろつき、董卓が起きるのを待つのであった。


 呂布が閣に赴いてから一刻が経過した。

 しかし、董卓は起きない。

 イライラが募る呂布は周囲の護衛たちに八つ当たりをしていた。


「・・・ええい!くそっ!まだか!まだ、太師は起きられんのか!!」


「は、はい。まだ起きてはおりませぬ。」


「ぬぬぬ。太師は一体何時まで寝るつもりなのだ!おおんっ!!」


「そ、それはわかりませぬ。しかし、もうそろそろ起きる頃かと思われます。」


「確かだろうな!!」


「・・・たぶん。」


「たぶんじゃねぇよ!いい加減なことを言うんじゃねぇ!このボケナスがぁ!!」


「ひょえええーーー!す、すみません!!(ちくしょー!理不尽だぜ!!)」


 呂布の理不尽な八つ当たりに対し、周囲の護衛たちは彼に冷ややかな視線を送るのであった。

 そんな彼らの視線など気にも止めず、呂布は1人、董卓の寝室の様子を想像していた。


(遅い!遅すぎるぞ!太師!一体貂蝉と何をしとるんだ!!・・・ま、まさか!!貂蝉と目覚ましプレイを決行中なのか!!!)


(あんなことやこんなことを秘密の花園で叶えて貰っているのか!!)


(うらやま・・・いや!そんなことをしていたら太師といえども許せん!許せんぞーーー!!)


 想像で興奮してイライラを募らせる呂布。

 しかし、今の彼にはどうすることも出来なかった。

 彼は董卓が起きるまで閣の周辺をウロウロとするしかないのであった。



 やがて真昼近くまで時が過ぎた。

 するとようやく董卓が目を覚ましたとの報告が入った。


「呂布将軍。董卓様がお目覚めになりました。」


「やっとか!よっしゃーーー!行くぜえぇぇぇぇぇ!!」


 報を聞いた呂布は取次も待たず、董卓のいる寝室へと一直線に向かったのであった。

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