(IV)

第16話

 ファルラはベッドで目が覚めた。

 もう昼過ぎだ。

 隣のベッドには、翼を拡げたままのリサが横たわっている。天使は老いることも食べることもなければ寝ることもない。しかし、今日くらいは横になってもらおうとファルラは命令の形で横にさせたのであった。

「ファルラ……」

 驚いた。

 真っ裸のユーリが横に寝ていたからだ。

「どうして?」

主人マスターガ、仲良クナレ、ト」

「いや、だからなんで……」

主人マスターガ、仲良クナレ、ト」

 ファルラの疑問にオウム返しするユーリ。

 ファルラに覆いかぶさるように、ユーリが顔を近づけてくる。

「とにかくやめろって」

「スキ……主人マスターガ言エト」

 その向こうでリサは着々と戦闘準備を整えていた。

「リサ、絶対に攻撃はするなよ!」

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