第12話
翼の生えた少女たちは、ユーリを引き離し、建物の中央にある、まるで処刑台のようなものに彼女を固定していく。
淡々と、虚ろな表情で。
「お父さん……」
ユーリの叫びは、男たちの野太い声に掻き消された。
闇色のローブを纏ったものたちが、円形に取り囲み、口々に呪文を唱える。
その声がまるで呪詛のようにユーリの身体を蝕む。
彼女のうめく声も、もはやリュディウスには届かない。
ただただ、男たちのボソボソという呪文が場を支配する。
そして、ユーリはまるで死んだように動かなくなった。
「ユーリ!」
しかし……。
突然、リュディウスは解放された。
両脇にいた二体の天使。その頭部が消し飛び、身体は地に崩れ落ちていた。
目の前には、拘束具も、着ていたものさえない、全裸のユーリがいた。
ただし、翼を背負って。
「
抑揚のない声で。
そして、彼女の姿は変化していく。
「
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