引っ越しを決めた日
前述のとおり、ご近所の生活音に悩まされること早半年。睡眠は不規則になり、夜中にハッと目が覚めることも多くなった。不動産屋に相談はしたが改善はされなかった。
ある初夏の夜、例によって例のごとく上の階の住人が友人を招いて朝方まで飲み明かしている音で寝付けず、朦朧とする意識の中、こんなアパートに住み続ける価値なぞあるのかと自問した。
あくる週、夜半過ぎに男女の営みの音が聞こえてからというもの、私の中で何かが吹っ切れ、頭のどこかに危険信号が灯った。
こんなところ、住み続けられない。
騒音に耐えてまで住む価値が一応はあった。駅へのアクセスも良く、スーパーも徒歩圏内。そしてやはり徒歩圏内に商店街があり何でも手に入った。有名な観光地の近くでもあり、観光客と留学生が多い土地柄、地元の人も外国人には慣れていたし、割と優しかった。
ロケーションは最高、地元の人も悪くはない。こんな物件はなかなか出会えないだろうから、ふんぎりがつかなかった。
けれど、こんなにストレスが溜まっているのに住み続ける理由もない。
引 っ 越 し し よ う 。
決めてからは早かった。ウェブサイトで物件を探しまくり、これは、というものを見つけて内覧に行った。幸運にも、最初の物件が思いの外よい物件で、大家もよさげな人だったためすぐに契約にこじつけた。
これで平和な日々が手に入ると心の中でガッツポーズをきめた。
次回は引っ越しの話を書いていきます。
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