第4話  雨

(らいあサイド)


ザー  ピカッゴロゴロ


「きゃー!?雷!?やばい、帰ろ!帰ろ!!」


突然大雨が降り、落雷まで・・・

残念なことに、傘も持ってない


部活は今日はないし。


まだ学校の授業が終わったばかりなのに。ついてない・・・


翔はどうするんだろう、横を見ると寝ていた。


ちょ、寝てる場合じゃ・・・・!


「翔!起きて!もうこんな雨だから帰る支度して帰っていいって!」


肩をゆすって、少し大きめの声で先生の指示を口にして伝えると

当の本人は眠たそうにしながらも、帰る支度をしている。


寝不足だったのかな、目に少し隈が・・・。

大丈夫かな・・・、 私がテニスの打ちあいに付き合ってっていったからかな・・・


「ん?俺なんか変?」


ちょっと甘い声で聞いてきた。それにどきっとして

見ていたことに気づいた。


「べ、別に何も?かっ、帰るね!また明日!」


バックを片手に教室を飛び出そうとすると、


「ちょっと待って、俺の母さん呼んで、迎え来てもらうから、らいあも一緒にのせて家まで送ってもらえよ」


手をつかまれ、少し不安そうな顔で言われ、


心臓が高鳴って、顔に熱が集中していくのが分かる。


「え?あ、私は大丈夫だよ・・・」


翔に迷惑が・・・


「大丈夫じゃないだろ。女子一人で帰ると危ないぞ?」


眉を下げて不安そうに言われ、


「じゃあ・・・お願い。」


顔が赤くなったのを隠すために俯いて言った。


すると


「じゃ、あと3分まってな!」


ニカッと爽やかな笑顔で笑う翔が目の前にいて、


さっきみたいに鼓動が速くなった。


これ、心臓爆発するんじゃ・・・!?


ああでも、きっと・・・絶対これは翔のせいだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る