第9話 協力者?が参戦!そしてまた呼び出し
3ヶ月ほどたったある日。
さすがに派遣一人に任せるのはマズイとでも思ったのか、人を増やした。
なんの前触れも無く増量。K部さんとK藤君の2人。
チームリーダーはK部さん。2人とも何でも出来るエキスパート。
3人に増えたのでBチームと名付けられたのだが、更に仕事が増えた。
一人で捌ききれない量の仕事を与えておき、当たり前のように残業させる。
それに対して人を増やして負担を減らすのではなく、更に仕事を増やすという暴挙に出たのである。
今更だけど何かがおかしい。いや、何もかもがおかしい。
当然今までよりも長時間残業になった。
そんなに残業ばかりしても俺には何のメリットも無いので適当に理由をつける。
俺「毎日用事あるので定時で帰ります」
K部さん「え?ああ・・・うん」
K藤君「帰るの?いいんじゃね?」
お二方共もの凄く話のわかるお方である。
定時のチャイムが鳴ると同時に雰囲気の悪い場所に突撃する。
勤怠表を書いていると、また呼ばれた。
H田GL「ちょちょちょ。え?帰るの?なんで?」
俺「え?用事あるから帰るんですけど。K部さんには許可貰ってます」
H田GL「それじゃ仕事終わらんて。ちょっとこっち来て」
俺「????」
また会議室に連れて行かれた。
数ヶ月前にもこんなやりとりがあったような気がする。いや、あった。
なんと言ったらいいのか・・・うーん。
H田GL「なんで残業しない?どうせ帰ってもうんたらかんたら・・」
え?なんか面倒くさい人なの?それとも記憶喪失なのだろうか。
前回理由をハッキリと言ったハズなんだが、全く聞いてなかったって事でいいね?
俺「前回の話し合いで言ったと思うんですけど」
H田GL「ん?そうだっけ?何だっけ?」
派遣の話など聞くまでも無いという事か。
ではなぜ帰ろうとしている人を呼び止めてまで話し合おうとするのか。
ていうか派遣の残業代ってとても高いので定時で帰すのが一般的である。
午前0時まで仕事したとすると2万円弱。企業が派遣会社に支払う額は4万円。
どう考えても社員より高い。それでいて赤字がどうのとか抜かす始末。
手に負えない。
前回と同じ事を言うのは面倒くさいし、また聞かないと思うのでこう答えた。
俺「んーじゃあ出来る時はなるべくするようにします」
H田GL「ホント、頼むよ?」
俺「でも今日は用事があるのでお先に失礼します」
会議室から出ると、事務所の連中がニヤニヤしながらこちらを見ている。
中でもひときわ気持ち悪い笑みを浮かべていたのが「派遣はゴミだ」のK畑氏。
ムカつくよりも、非常に残念な気持ちになった一日であった。
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