「詩情の翅」

煩先生

 

煙草の死灰が

鱗粉と成れど

痩せた指先で

存在に負けた


火傷した唇に

色香を醸せば

僕の感受性は

精巧と云うの


有毒なる蝶が

月へ上る前に

世界中の窓を

閉鎖して廻る


手摺を離れて

必死で羽搏く

美しい哲学に

讃えるが善い

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「詩情の翅」 煩先生 @wazurai

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