第3空席になった机

 「昨夜、間宮慧くんが亡くなりました」


翌日朝、衝撃の言葉が担任から告げられた。


クラス中がざわめく。


確かに、いつも遅刻ギリギリの俺とは違い、あいつは早く来ていた。


だが、この教室にその姿はない。


ホームルームが始まる前にスマホでメッセージを送ってみても返事はなかった。


休みなのかと思っていた。


予備校に行く、と笑顔で言っていたあいつが?


聞くところによると、ホームから転落したらしい。


もしかして、テキストでも読みながら歩いていたのか。


信じられないが、これは事実だ。


「今夜、通夜を執り行います」


そうか、今日はあそこに行けない。


明日もきっと葬式がある。


まぁ、気味悪いからいいけど。


この時、誰も間宮の死を疑わなかった。




____________________

 昨夜のこと。


一昨日のように教室の前に集まった。


だが、何も見えない。


ただ物置と化した教室があるだけだった。


「ま、帰るか」


「じゃぁ、また明日」


この時誰も気がついていなかった。


教室の扉は閉まっていた。


ただ、その教室______102は密室ではなかった。


そして、昨日は誰も、”明日来る? ”といった質問をしなかった。


これが今回のことに関係するか否かはまだ確かではない。


だが、完全に無関係とも......言い切れない。

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