初陣

~1~


 ケントルムの歴々より世界を守る救世主としての使命を帯びたグレイとレイン。二人はウィルとレッジの提案を承

け、元いた病院のある町へ戻ることになった。幸運にもレッジは転移魔法テレポートの心得があり、四人程度なら送り出せるらしい。一行がパラティウムを後にした瞬間、目的の場所は眼前に広がっていた。


「これからどうするんですか?」

「その『これから』のためにも、君たちは俺やレッジに対して敬語を止めた方がいいと思うぞ」


 グレイが訊ねると、ウィルは穏やかな口調で言った。


「どうしてですか?」

「これから行う訓練には互いの信頼が欠かせないからだ。呼び方一つで両者の距離感は随分と変わる」


 会話を引き継いだレインの問いに、レッジが答えた。


「訓練!? 何が始まるんです?」

「君たちに戦いを教える」


 不安げなグレイに、ウィルは鋭い眼光を兜の下から向けた。

 そこから四人は徒歩で新たな目的地へ移動し始めた。背後にそびえ立つ、心身の回復に尽力してくれた病院に別れを告げ、グレイとレインは見慣れない町並みを通り過ぎていく。人混みで賑わう通りを歩いていくと、その喧騒や笑顔が見聞きできた。


「この景色、元の世界とあんまり変わらない……」

「ああ。みんな、恐らくは君たちがそうだったように、それぞれの生活の中で生きてる。色々なことを経てな――だが、これは偽りの平穏だ。我々は間違いなく、戦争の渦中にいる。人々の幸せを『取り戻す』ために、君たちはクラウズとの戦いの最前線に立ち、吉報を届け続ける義務を課せられた」


 レインが呟くと、ウィルは彼女の肩をぽんと叩いた。その言葉を聞いたレインは、躊躇いなく『うん』と答えてみせた。グレイはというと、半ば場の勢いと成り行きに流されて救世主の使命を帯びた自身を少し憎んだ。今、目前で生きている民衆の希望を背負うなんて、この身には荷が重い気がした。


「戦うって、本当に俺たちが戦線に加わるんですか? 救世主の役割は、人々を元気付ける演説とか、戦火の被害を受けた土地の訪問や援助とかじゃダメなんですか……それこそ天皇陛下みたいな」

「君たちの世界には、そのような存在がいるのかもしれない。しかし今、この世界の人々が求めてるのは希望の象徴ではなく、希望そのものなんだよ。つまり、戦いを終わらせるために貢献する者じゃなく、戦いを終わらせてくれる者だ。具体性を帯びた希望は、常に勝利の兆しを自ら示し続けなければならない――あと、敬語は控えるように」


 グレイが怖じ気づいたような声音で言うと (本人にそんなつもりはなかったのだが) 、レッジが険しい口調で一蹴した。救世主の任を仰せつかってから、明らかに二人の態度が一変している。それほどまでに、救世主の肩書きは重大なものなのだろう。グレイは改めて、己の浅はかな思考と愚かな覚悟を悔いた。


「でも戦いなんて、私たちの世界では無縁だったし、そんなすぐに出来るものでも――」

「それを俺たちが教えるんだ。それに、戦うための潜在能力なら、既に君たちには宿っている」


 レインの言葉を遮り、ウィルは言った。


「グレイ。君に名前を付けた時、この世界における名前の役割について話したよね。あの話には、まだ続きがあるんだ――たしか、名前が魂を世界に定着させるものだ、というところまでだったな」

「はい……あ、いや――うん」

「そう。あの時、なぜ救世主様がクラウズを相手に戦えるのか、と訊ねたね。その答えを言いそびれていたよ……それは、救世主様が選ばれし特別な名前を持っていたからだ」


 グレイが眉をひそめて『どういうことだ』と言いかけると、レッジは片手で制して続けた。


「この世界において名前は魂に刻まれた存在の証としての役割とは別に、その名前を持つ者の潜在能力を表しているんだ。これは名前によって決まるのではなく、魂が本来先天的に有している才覚の類いを、名前が形として具現化させてくれてる、といったところかな。いざ説明してみると、俺もこんがらがるけどね……ともかく、名前は個人の能力をも司っている、ということだ。

 誰かが救世主に選ばれるというのは、その『魂』が世界の存亡を担うに値すると判断されたということだ。そして、選ばれた魂には、その時点から救世主として相応しい能力を新たに刻まれるわけだ。同時に、その魂の称号である名前は、世界や人々にとって特別なものとなる。イーヴァス様も同様だ。

 このように、名前は魂と密接な関連性にある。これから魂とは、イコール名前と思ってもらって構わない。忠告しておくと、この世界で名前を侮辱することはその人の魂、引いてはその人の存在の全てを侮辱するに等しいから、くれぐれも気をつけるように」


 レッジの説明を反復し、数秒間、情報の整理と理解に勤しむと、グレイはようやく納得した。


「え、じゃあ、俺たちにも何かしらの能力が備わってるってこと?」

「ああ。イーヴァス様と同じく救世主としての特別性があるかは知れないが、少なくとも人並みの能力は確実に宿ってる」

「その名前に刻まれた能力を引き出すのが、これから行う訓練だ」


 グレイの問いに、レッジとウィルが答える。すると二人は立ち止まり、グレイとレインも足を止めた。目の前には巨大な鉄壁が立ちはだかっており、その下部にこじんまりした扉が設けられている。


「ここがハオス国立闘士場だ。ここで君たちの能力を開花させ、最低限の戦闘技術を身につけてもらう。無論、国王様から施設利用の許可も既に戴いてる」

「ハオスって、さっきパラティウムにいた、ケントルムの一人?」

「そうだ。正確にはハオスはこの国の名前なんだが、現代を含む歴代の国王様にもハオスの名が配されていた」

「この国の名前?」

「ああ――言ってなかったか。ここは【ハオス王国】の中央都市。商工業の始点となる町さ」


 ウィルは見上げるほど巨大な壁へと歩いていき、扉を開けてグレイとレインを招き入れた。


~2~


 そこは球場の如き広大な空間を内包していた。天井はなく、晴天を照らす陽光が肌を焼き、吹き荒ぶ風が土や砂利の類いを巻き上げた。その規模はグレイたちの元の世界における国立競技場と同等のものだった。二人は呆然としつつ、ウィルやレッジに従い闘士場の中央へと進んだ。


「では、能力発現の訓練を始めよう。まず、自分の魂を深奥から感じ取るんだ」

「魂!? そんなの急に出来るものなの?」

「魂とは個人のアイデンティティーそのものだ。君たちが自分の個性を少しでも認識できれば、それが魂ということになる。なにか、君たちにとって強烈な記憶、今も覚えている感情、運命を決めた行いを思い出すのが一番手っ取り早いかな」


 レインは首を傾げつつも、きゅっと眼を閉じて何かに耽った。その潔い様を横目に、グレイも自身の存在を確かめる瞑想の旅に出た。

 その生涯の始まりからとはさすがにいかなかったが、グレイは掘り出せる限り、脳裏に隠れた経験の海を漁った。嫌いな食べ物があったこと、どうでもいいことで泣きわめいたこと、母親の掌がなければ眠れなかったこと。

 その過程で、グレイは幼い頃、レインと過ごした日々に辿り着いた。一緒に逆上がりの練習をして、折り紙を教わって、隠れんぼの時見つからないまま夜を迎えて、孤独に震えて……。

 そして、グレイは小さな自分とレインが、二人で何かを話している記憶に差し掛かった。卒園式の日、幼児なりの畏まった制服を着て、短いクレヨンで絵を描きながら無邪気に笑う口元が見えるだけで、そこから紡がれる言葉は聞こえない。

 すると、小さなレインは無理やり作ったような表情を浮かべ、描きかけの絵を抱えて去っていった。目の前の少年を置いていくように、クレヨンを蹴飛ばして。嬉しそうで悲しそうで、複雑な表情で。

 グレイはその表情を知っていた。今、こうして過去と現在で経験したのだから当たり前だが、つい最近、どこかで見たのだ。

 グレイは思い出した。電車の中で、レインと話した時。たしか、昔のことを訊かれて誤魔化した時。その時、あの表情を見たのだった。あの瞬間、自分が感じた一種のデジャヴの正体を、グレイは突き止めた。

 クレヨンが不思議そうに口を尖らせる少年の手元に転がった。以来、レインとは電車の中で再会するまで、これといった関わりを持たなかった――。

 そうして、グレイは自分の一生を、時代を追体験するように駆け抜けた。

 ふと眼を開けると、彼の眼前には金色の球体が浮遊していた。宙で静止している、というべきか。驚愕して半歩退きながら視線を外すと、既にレインも同様の現象に見舞われているのが分かった。


「それが君たちの魂の形だ」


 グレイは球体を凝視した。眩しいような眩しくないような、歯がゆい輝きを放っている。


「触れてみろ」


 ウィルはさも当然のように言った。グレイは片目を潜めて警戒しながらも、その球体に恐る恐る手を伸ばした。手が触れようかという刹那、グレイは胸の中心辺りに熱を感じた。その瞬間、球体が突如として眼も眩むような閃光を発し、グレイは反射的に眼を瞑った。

 すると何の前触れもなく、彼は掌の硬く細長い感触に気づく。見ると、右手に黒とも白ともつかない曖昧な、両刃の刀身を持つ灰色の剣が握られていた。全長75~100センチメートルほどの、質素な様相である。

 一方、レインは絢爛で鮮やかな弓を掲げている。その美しい曲線を撫でると、彼女は跳ねるようにグレイに飛びついた。


「やった! 出来たよグレイ! 見て見て、綺麗……わっ! グレイも出来てる! すごーい!」


 子供のようにはしゃぐレインを他所に、グレイは内心、歓喜していた。

 剣である。数多あるであろう武具や魔法、そういった能力の類いの中で、自分は一つ、この『剣』を握っているのだ。剣とは、少年の誰もが憧れる武具。それが今、半ば奇跡的とも言える確率で、この手に握られている。それが嬉しくて、仕方がなかったのである。もう少し煌めきを帯びた、どこか神聖さを感じさせるような剣が理想ではあったが、彼はそれもまた良しと出来た。


「レインは【魔弓まきゅう】か。いいセンスしてるなあ」


 レッジが腕を組んでニヤリと笑った。


「なんですか、魔弓って?」

「矢の代わりに魔法を射つ弓さ。その性能的にも見映え的にも、かなり人気の高い能力さ」

「魔法!? 私、魔法が使えるんですか!?」

「ああ。もっとも、その弓に刻まれた魔法だけだけどね。どんな種類が揃ってるかは、僕の魔法の一つで把握できるから、後で調べてみるよ」


 レインは『へえ~』と呟き、自身の魂ともいえる魔弓を眺めた。すると、彼女は魔弓の一点に顔を近づけて眼を細めると、その部分を指差した。


「なにか文字が刻まれてる……【ニアNIAR】だって」

「それはこの魔弓の名前さ。君の魂であり半身の名前だ。大切にするといい」


 レインはペットを愛でるような甘い声で、その名を呼び続けた。グレイも気になって剣を隅々まで観察すると、刃の中央に伸びる一筋の窪みなの端に、微かに文字を読み取った――【ヤーグYARG】。


「じゃあ、レインの訓練はレッジに一任しよう。グレイ、君は俺と稽古だ」


 ウィルの言に『了解』と返し、レッジはレインを連れて闘士場の屋内へと去った。グレイは鎧兜で覆われ表情の知れない兵士を前に、僅かに怖じ気づいた。


「君のは見たところただの剣のようだな。なら力量と技術で戦場を生きるしかない……さあ、遠慮はいらない。俺に斬りかかるんだ」


 ウィルが手を前方に差し伸べると、虚空から一振りの刀が出現し、彼はその柄を握った。

 グレイが全身を震わせて動かずにいると、ウィルは刀を構えて臨戦態勢に移った。兜の隙間から、鋭い眼光が真っ直ぐ自分の瞳を捉えているのをグレイは見た。


「俺は曲がりなりにも兵士、今の君よりは十分強いつもりだ。絶対に殺されないと誓うから、早く来い」


 ウィルが覇気のある語調で言うが、グレイは動かない。彼が何を言っているのか理解できていない様子で、ただ立ち尽くしている。

 やがてウィルは大きな溜め息を吐くと、鞘を放り投げてグレイ目掛けて走り出した。凄まじい速度で間合いを詰めていく。グレイが驚いて瞬きした直後には、ウィルは彼の眼前で刀を振り上げていた。

 グレイは咄嗟の判断で自身を庇うように剣を構えた。しかしウィルは容赦ない剛力を以てグレイの右腕を押し曲げ、剣の刃が彼の鼻先を掠めようとしたところで刀を引いた。


「俺が敵なら君は死んでた」


 ウィルは愛刀の刀身を煌めかせると、冷徹な声音で言った。その調子は一言、無慈悲と喩えて差し支えない。


「敵を見たら剣を振れ。敵意を感じたら迷わず斬れ。それが生き延びるのに何よりも大事な気構えだ」


 グレイはウィルの変貌ぶりに驚きながらも、彼の言わんとしていることを理解した。彼は本気だ。それを今、初めて実感し、確信したのだ。

 だが、それはグレイにとって、ウィルと剣を交える理由とはなり得なかった。見知った人物に抱いた情が、彼の刃を鈍らせる。


「次はないぞ。来い。俺を倒す気でないと、本当に斬り殺すぞ」

「そんな……そんなこと出来ませんよ! いくら戦いのためだからって、こんな危険なこと――」

「黙れ! 君はこれから、俺なんかが虫けらに思えるほどの猛者と剣を交える死線を潜らなければならないんだ! 強敵を前に勝ち残りたいなら、覚悟を決めてなきゃいけないんだ!」

「でもウィルさんは敵じゃない!」

「君が戦うことを受け入れない限り、俺と君は敵同士だ!」


 ウィルは再び疾走し、グレイの剣を弾いた。手首から肩まで伝わる衝撃で、彼の右腕は一時的に麻痺してしまった。

 麻酔でも射たれたかのような感覚に動じながら、グレイは自らの命を狙うウィルの一閃を察知し、本能の赴くまま上体を極限まで反らせた。妖しげに光る刃が、彼の前髪を撫でた。

 仰向けに倒れて頭を強打したグレイは、自由の効く左手で患部を擦った。その頬に冷たい刃をウィルは向けた。


「その剣は君の一部だ。求めれば何時いつでも何処どこでも呼び出せる」


 ウィルはグレイの手元を離れ、少し遠くの方で転がっている剣を一瞥した。言われて、グレイは届くはずもない剣へ手を差し伸べ、自分の元へ戻ってくるよう念じた。すると剣は一瞬の内に消失し、刹那、グレイの掌に納まっていた。


「ハオス王国の兵士は武器を持たない者を手にかけない――相手が人の時に限ってはな」


 涙ぐんで自身を睨みつけるグレイに、ウィルは言った。『そうでなければとっくにお陀仏だったぞ』と。それが真実なのか、それともグレイに決心させるためのハッタリなのかは知れないが。

 グレイは帰ってきた剣を見つめた。戦うべくして生まれた剣――裏を返せば、自分が戦うからこそ生み出された……自分で生み出した剣。救世主の代わりとして、人々を守り抜くための力。

 戦わなければならない。そう宿命付けられ、ここにいるのだ。その決意を持ったから、ここに来たのだ。グレイは一つの覚悟の下、剣を握る拳に力を込めた。レインを見守るとか、元の世界に帰れないからとか、そういうのを抜きにしても、今ここで戦わなければ、目の前の友達に殺される。

 ウィルも彼の決意を悟り、刀を構えた。『殺されないと誓う』。その言葉を信じて、グレイは己の全てを賭して戦いに身を投じた。

 二人はほぼ同時に駆け出した。先ほどまでとは違い、ウィルは刀のきっさきをグレイの胸元に向けるだけで、一向にその手元に動きを見せない。グレイはそれを、自分の戦う決意がまことであるかを確かめる、ウィルの思惑だと察した。ウィルはあくまで、グレイに自ら戦う『意志』を確固たるものにしてほしいという信念に基づき、剣を振るっていたのだった。

 グレイはヤーグを薙いだ。ウィルはそれを難なく退け、柄の先端でグレイの鳩尾みぞおちを強打した。その一連の動作は、グレイが視認するには速すぎた。

 グレイは呼吸すらままならない激痛に顔をしかめ、膝をついた。空気は吐き出される一方で、まともに酸素を取り込めない。そんな彼の背中をどんと強く叩くと、左手を差し出した。


「決心はついたようだが、まだ剣技は未熟そのものだ。もっと強く、そして速く剣を振るんだ」


 さも簡単そうに言ってのけるウィルに対し、グレイは伸べられた手に応じながら苦笑してみせた。荒々しい吐息からは、一切の余裕も感じられない。


「最初からこんな実戦形式じゃなくて、もっと基礎だったりコツをレクチャーしてもらった方が良いんじゃない?」

「言ったろ。魂には能力が刻まれてる。君の魂が君の能力として剣を授かったなら、その扱い方も心得てるはずだ。心の奥深くでは、君は既に剣術の何たるかを把握してる。あとはそれを戦いの中で自覚し、引き出すだけだ」


 この世界における法則の数々が抽象的で曖昧な原理の下に成り立っている気が度々していたグレイだが、今回はそれを顕著に垣間見たと思えた。

 剣道などに限らず武術や競技は、まず基本となる動きや攻守のすべを学ぶところから始める。そこから実戦での対敵、高度なスキルを追求していくものだ。それを、端から擬似的な戦場に放り出して『覚悟を決めて戦え』と言われるだけで、あとは魂やらが技術を既知しているから頑張って能力を引き出せ、と要求されるだけである。元の世界で考えれば無茶苦茶だ。

 しかし、頭では元の世界との差異に疑問と不安を呈しているグレイだが、いざ目前の戦いに意識を集中させると、そのような不満は一蹴され、彼はウィルとの駆け引きにのめり込んでいった。

 当初はやはり圧倒的に劣勢であったグレイだが、彼の剣はウィルの刀の速度に着実に追いついていった。戦いは、両者の本来ならば絶対的であるはずの優劣が、逆転する可能性を否めない雲行きになっていた。加えて、二人は交戦が長期化していく中で、とある変化に気づいていく。

 グレイはウィルと激しい剣戟を繰り広げる最中、その攻防の速度に遅れをとらなくなっていく。そうなると必然的に彼らの刃は交わり、その力強い一撃は文字通り火花を散らすこととなる。

 その飛び舞う火花を受ける度、グレイの剣――ヤーグはその刀身を徐々に赤らめていった。刀剣は鍛えられる際、幾度も鉄槌に打たれ火にべられる……ちょうど、その時の刃に似た色合いだ。現にウィルは、ヤーグが刃の色を深紅に近づける毎に、グレイが剣を振るう速度と強さに進化を感じていた。

 終始一貫して冷静沈着であったはずのウィルが、頬に一筋の汗を滲ませた。既にグレイの剣術は、現役の戦士に対して一歩も引かないまでに昇華されていた。

 ついに、グレイはウィルに半歩、その場から退かせてみせた。ウィルの刀を扱う手にも痺れが生じてきた。

 グレイは脳天を叩き割らんと大きく剣を振り上げ、そのまま斬り下ろした。大振りな一撃で生じた僅かな隙を突いてウィルは態勢を立て直し、グレイの一閃を何とか受け止めた。あまりの重量感に、刀から軋むような音が響いた。

 だがグレイはウィルが剣を受け止めた一瞬を狙い、彼の顎を膝で蹴り飛ばした。ウィルは見事に後方へ吹っ飛び、目眩めまいに呻いた。グレイは戦いの中で剣術と共に、己の魂に宿る体術の才をも覚醒させていたのだ。

 グレイは仰向けに倒れたウィルに駆け寄って、その手に強く握られた刀を放った。先ほどされたのをそっくりそのまま返す意を込め、その頬に鋒を突きつけてやろうとした時。グレイは言葉を失った (元々、激しい戦いの最中に交わされる言葉などなかったのだが) 。

 ウィルの兜は先の衝撃で彼方へ転がっていき、彼の素顔を露呈させていた。そして、今まで兜に覆い隠されてきたウィルの素顔は、傷だらけで見るに忍びないものだった。

 左頬に一筋、特に目立つ大きな十字の傷跡があり、他にもところどころに生々しい戦いの歴史が、文字通りその身体に深々と刻み込まれていた。


「俺は自ら志願して兵士となり、敵を倒す鍛練も修行も怠らなかった」


 ウィルはグレイの剣先を、厚い装甲で護られた手で握り締めた。グレイが慌てて剣を引こうとしても、彼はその手を放さない。ウィルの掌から赤い雫が滴った。


「なのにこの様だ――グレイ。最初から戦う覚悟と意志を持っても尚、取り返しのつかない傷を負い、自分を想う人を遺して死んでいく者がいる。彼らは、君たちの何倍もこの世界の人たちを愛し、何倍も努力し、何倍も強かった。けど、それでも死んでしまったんだ」


 言い終えて、ウィルはようやっとヤーグを握る手を引き、痛みに顔をしかめた。ふと視線を外すと、戦意を潜めたウィルに呼応したのか、刀がどこにも見当たらないことにグレイは気がついた。


「まあ、君たちには救世主様の加護が、少なからず授けられてるようだから、その心配も必要なさそうだな……グレイ。君の剣は【秘剣】という種別の武器だ」

「秘剣?」

「ああ。さっきレインは魔弓を発現させただろ? 剣にも普通の物理攻撃のみに使う刀剣と、魔法を帯びて使う魔剣と呼ばれる種類があるんだが、君のはその中間といったところだな。

 今の戦いで刀身が赤くなったろ? あれは【業火】という秘術だ。君の剣――ヤーグは敵の武具と衝突した時に生じる熱や、君が振るった時の空気摩擦による熱……戦いの中で発せられる熱の全てを刀身に吸収し、その刃の切れ味を高める能力を持ってる。同時に君の身体能力も僅かに上げてくれるはずだ」

「熱を吸収する?」

「ああ。武装した敵と戦う時、熱は必ず発生する。そして、それはこの剣に蓄積されていく。つまり、ヤーグは戦いが長期化すればするほど、その力を底上げするんだ」


 大器晩成型だな、とウィルは締め括った。兜を拾いに行く彼を他所に、グレイは手元の両刃の剣を見た。

 業火――仏教において『業』とは、当人の行いを意味する。その業によって人の運命は、吉にも凶にも転じる……。

 グレイは灰色の刀身に映る自身を見つめた。これから、自分は数多の命を背負い、人々の先陣を切ることとなるかもしれない。その時、果たして自分は自分の行いをどう思うのだろう。生きるために殺し、殺したが故に生きる。そうやって勝ち取った名声を、受け入れられるだろうか。

 己の業が自らをも斬り伏せる結果となってはしまわないだろうか。


「グレーイ!」


 声が聞こえて振り返ると、魔弓ニアを背負ったレインが、笑顔で手を振り走ってきた。が、そんな彼女も脇に兜を抱えたウィルを見て、顔を青くした。傍らのレッジは、やれやれ、といった素振りで彼女の肩をぽんと叩いた。


「これから君たちは一般人ではなく戦士だ。勇敢な戦士を前に傷を隠す必要もない」


 グレイとレインが顔を見合わせると、『遠回しに応援してるのさ』とレッジが付け足した。

 その時、四人の前に人影が忽然と現れた。レイゼン准尉だ。彼は切羽詰まった様子で言った。


「カムプス平原に【ポルタ】が開門した。出撃できるか?」


 きょとんとする二人に、ウィルは兜を被って代弁した。


「クラウズの軍勢が出現する。行くぞ」


 グレイとレインは一瞬、不安と軒昂の入り混じった表情で互いを見合わせると、短く首を縦に振った。


「既に正規軍が現地へ向かってる。君たちも直ちに後を追え」


 グレイが周囲の地面が光り輝いたのに気づいた瞬間、彼らの姿はハオス国立闘士場から消えていた。


~3~


 准尉に連れられ、四人は別の施設内部に転移

テレポート

した。そこには、馬のような長い胴体と強靭な四肢、加えて鷲のような長大な翼を持った、奇っ怪でありながら美しい生き物が、何十頭 (?) も柵の中で鳴き声をあげていた。


「何だこれ!?」


 グレイが生き物たちに負けじと叫ぶと、ウィルが柵から三頭ほど選出し、その手綱を引いて答えた。


「ハオス正規軍が所有・飼育する【エクゥスアヴィス】だ。覚えてないかもしれないが、君たちを助け出した時、俺が乗ってた生き物の子供だ」

「え!? これがあれになるの!?」


 あの勇猛な姿とはかけ離れた、一見すると可愛らしいそれらを見て、グレイは驚いた。そんな彼とレインに、ウィルはそれぞれ一頭のエクゥスアヴィスの手綱を手渡した。


「グレイはクルスに、レインはエイラに乗ってくれ」

「クルス?」

「エイラ?」


 当の本人たちは眼前に差し出された獣を見つめてきょとんとした。


「エクゥスアヴィスの名前だ。これに乗ってカムプス平原へ向かう。俺も兵士として同行する」


 ウィルはひょいとエクゥスアヴィスの背に乗ってみせ、まだ状況の飲み込めない二人にも騎馬を促した。


「こんな生き物の乗り方なんて分からないよ!」

「初めての私たちに自力で操れなんて無茶だよ!」

「大丈夫だ。エクゥスアヴィスは乗り手の思考を読み取る、従順で高貴な生き物だ。敬意をもって俺に着いていくよう念じれば、クルスもエイラもそうしてくれる」


 二人の批難の声に、ウィルは平然と言った。早くしろと急かすように自分たちを睨みつける准尉の眼光を察知し、グレイとレインは慣れない所作でありながら何とか各々のエクゥスアヴィスの背に腰かけた。


「おい、救世主諸君」


 皮肉めいた准尉の言葉に振り向くと、二人は彼に頭を鷲掴みされ、こめかみの辺りをぎゅっと圧迫された。少し痛みも伴ったがすぐに放され、グレイたちは僅かに潤んだ瞳で准尉を見た。


「これで作戦司令部からの指示が君たちにも伝わる。我々の作戦指示は魔法による伝令で達せられるからな……それと、これも持っていけ」


 准尉は少し踵を浮かせて、二人に透明な液体の入った小瓶を数本ずつ渡した。グレイは不思議がって准尉を凝視し、レインは小瓶をゆらゆらと揺らして中の様子を窺った。


「それはキュアドリンク。この世界のほぼ全国の正規軍で採用されてる回復魔法薬だよ。レイン。分かってるとは思うけど、君の魔弓には回復魔法が備わってない。だからその小瓶が君たちの生命線になる。慎重に使ってくれ」


 レッジの言を受け、二人は小瓶をポケットにしまった。と、ここでグレイは素朴な疑問を抱き、レインを除く三人に訊ねた。


「その何とか平原へは、さっきみたいなワープ魔法で行けないの?」

「ホリゾンレクス法規により公用での転移魔法は制限されてる。カムプス平原は我が王国の有効範囲の外側にある」


 准尉は『無駄話は済んだか?』と付け加えて、エクゥスアヴィスに乗る三人の前方の門を開いた。眩い真昼の光線が、グレイたちの眼を刺激した。


「くれぐれも気をつけて――頼むから、命だけは落とさないで」

「大丈夫だ。俺のサポート付きだからな」

「……なら安心かな」


 レッジの心配そうな眼差しを見ると、ウィルは微笑んだ (兜で隠され表情は知れないが、グレイはそんな気がした) 。『二人は良い友達なんだね』とレインが言った。グレイもそう思った。


「行くぞ」


 ウィルの一声を皮切りに、三頭のエクゥスアヴィスは、それぞれの背に戦士を乗せて駆け出した。グレイとレインは、これまで感じたことのない風を浴びた。


~4~


 三頭のエクゥスアヴィスが野に放たれ、その背で舵を取るグレイたちを戦地へ運んでいく。速度は中々のもので、グレイとレインは全身を打つような強風に顔をしかめ、走行している獣特有と思われる無骨で不規則な揺れに慣れようと懸命だった。


「にしても急だね、クラウズ」


 エイラの手綱を引きながら、レインはその足音に負けじと言った。その息は荒立っている。


「クラウズはポルタという裂け目を通ってこっちへ侵攻してくる。ポルタは一定の間隔を空けなければ連続して開くことはないし、一つしか開かない。開いておける時間も決まってるようだ。だからクラウズは俺たちと交戦しても、必ず時間が経てば自陣に撤退する。ケントルムにイーヴァス様の遺体を寄越せたのも、このポルタのせいだ」


 二人を先導するウィルが振り向いた。


「え、じゃあわざわざそのカムプス平原にじゃなくて、もっと人の多い都会のど真ん中とかにポルタを開けば効率よさそうなのに」

「過去に一度、そういう事件があったが、なぜか町中ではポルタの開門期間が異様に短かったらしいんだ。まだ原因は分かっていなくて、今も研究されてる」


 レインは『へぇ~』と頷いた。もっとも、彼女の身体はエクゥスアヴィスの歩調に合わせて揺れ動くので、頷かなくても変わらないのだが。

 ウィルが前方へ向き直ったのを見計らって、グレイはレインに接近するようクルスに念じた。すると、クルスはすぐにエイラの傍で並走した。


「どうしたの?」


 レインが訊ねる。グレイは意を決した。今までずっと気になっていたのだ。レインはこの世界にあまりに適応し過ぎているように思える。それを彼女自身はどう感じているのか。そもそも自覚できているのか。そういった、この世界に辿り着いて以来、疑問に思っていた諸々を、この場を借りて全て吐き出したい衝動に駆られていた。


「あのさ……」


 レインがおかしくなってしまっているのか、自分の適応能力が不足しているだけなのか、いよいよはっきりさせておきたかったのだ。


「この世界のこと、どう思ってる?」

「どうって?」

「その……親しみっていうかさ、慣れっていうのは、どうなんだろうって思ってさ」

「うーん……いきなり言われてもなあ」


 長考しながらの会話はテンポが悪かったが、グレイはそれでもレインの本心を聞き出さんとしていた。レインは彼の問いに少し悩むと、やがて首を傾げつつ答えた。


「自分でもよくは分からないけど……私、この世界のこと好きになれると思う」

「どうして? ここは俺たちの故郷

ふるさと

じゃないし、よく見知った場所でもないだろ?」

「うん。そうなんだけど、なんていうのかな――私たち、今は『ここ』にいるでしょ? だから好き嫌いは別として、一先ずはこの世界の人間として生活していかなきゃいけないと思うの。だから、そういう我が儘はナシかなって……何も分からないまま死んじゃった人もたくさんいるんだし――」


 やはり、グレイは自身と彼女との認識の差異を否めない気がした。レインの言も正しくないとは言えない。むしろ充分に的を射ているだろう。

 だが、理屈が分かっていても、正論を振りかざされても納得のいかないことは、身勝手だと知りながらも拒絶できる、良くも悪くも人間らしい感性が彼女には欠如しているようにグレイは思った。機械的に、現状を何のクッションもなく受け入れてしまっているような、危うい柔軟性というか、病的に肯定的というか。

 そんな、およそ一般とはかけ離れた価値観の存在を、グレイは彼女の応答から感じたのだった。


「救世主になるって言ったのは? パラティウムで聖王に頼まれた時、割りと即決だった気がするんだけど……」


 レインの身を案じると同時に、何か助けになれないかと、少しでも彼女の心情を引き出して把握すべく、グレイは続けて訊ねた。


「うん……私がクラウズと戦うことで、たくさんの人が幸せを感じたり、死ななくなったりするんでしょ? それって凄く良いことだと思う」

「でも、それってやっぱり自分の身が危険になるリスクも当然あるわけじゃん。そこは恐くないの?」

「グレイはどうなの?」

「俺? 俺は恐いよ」

「そうなの?」

「当たり前じゃん。下手すれば死ぬかもしれないのに、それを進んで引き受けるなんて、正直自分でも馬鹿なことしたなって、今でも思うよ」

「じゃあなんで救世主やるって決めたの?」

「それは――」


 君のためだ、なんてとても言えなかった。加えて、グレイは彼女の問いかける声音に、なんだか棘があるように思えて不安になった。


「レインはなんで?」


 グレイは瞬時の判断で、誤魔化そうと訊き返すことにした。


「さっきも言ったでしょ。みんなが笑顔になるんだから、良いことでしょ?」

「でも、それで自分が死んじゃっても本当にいいの?」

「私たちは救世主様が死んだ穴埋めに召喚された……人を救っても、救って死んでも、そのためにこの世界に呼ばれたんでしょ? なら、そうするべきなんでしょ? 救世主様の代わりにクラウズと戦って、平和を守る――そのために召喚されたんだから、私は役割を全うするよ」

「それ本気で言ってるのか?」


 グレイは彼女の瞳を直視した。こんなの人じゃない。与えられた役目と言われて託された使命を、自分の意思の介入なしに受け入れるなんて、あまりに人間的じゃない。グレイは、その瞳の中に嘘偽りを見つけたかった。一連の答えが、彼女の意思と違うものであると信じていたかったのだ。

 すると、レインの瞳がうっすらと潤い始めた。水面に波紋が広がるように揺らめくその眼は、確かに人のものだった。

 グレイは、レインの表情が歪んでいくのに気がついた。瞳も徐々に弱々しく垂れ下がっていく。彼女は、今にも泣き出してしまいそうだった。


「分からないよ……」


 レインは涙声で言った。その頬には、ついに一筋の雫が滴った。


「おかしいに決まってるでしょ? 電車に乗ってたら変な事故に遭って、目が覚めたら変な場所にいて、訳も分からないまま変な怪物に襲われて、逃げ回ってたら変な軍隊が変な生き物に乗って変な武器とか技で戦ってて、助かったと思ったらここが変な世界だって聞かされて、救世主とかいう変なものになってほしいって言われて、変なことだらけなのは分かってるよ。でも、分からないの――自分がどうなってるのか」


 彼女の顔は次第に紅潮し始め、レインはさめざめと泣き出した。涙が溢れんばかりに流れ出る。鼻をすすって、呼吸のリズムは不安定だ。


「頭では色んなことがおかしいって分かってる。こんな突拍子もないこと、全部かなぐり捨てて逃げ出したいとも思うの……でも、頭でそう思っても私の心が――魂が『そうしなくちゃいけない』って感じてるの。私が嫌だって思っても恐いって思っても、私の内側が救世主にならなくちゃいけないって、戦わなくちゃいけないって命令してくるの」


 彼女は、今まで本心を押し殺してきたのだ。本性を隠し通してきたのだ。エイラはレインの感情を読み取ったのか、蒼天へ向かい悲しげに吼えてみせた。ウィルはその声音を聞いて振り返るが、グレイたちの様子を一目見ると、すぐ察したように上体を戻した。


「もう分からない……私、どうしたらいいの? どうすればいいの? 分からないよ――」


 レインは祈りを捧げるように手を胸の前で組み、その上に額を当てた。両手の指先が涙でたちまち濡れた。それでも、彼女は決して大声で泣きわめくことはなく、ひたすら静かに、悲しみに暮れるのだった。

 グレイは、彼女に泣いてほしくなかった。もう泣いてしまったけれど、少なくとも、これからはあまり泣かないように生きてほしいと思った。出来れば笑ってほしいと思ったのだ。しかし、励ますことも同情することも、ここでは浅はかな行為だと思われ、グレイは彼女が泣いているのを黙って見ているしかなかった。

 何か力になりたい。そんな純粋な思いが彼の胸中を埋め尽くした。けれども、今の彼女の苦悩の前では、いかなる行動も無力な気がした。

 熟考の末、グレイは、ただ彼女の手を握るだけに留めた。幼馴染みとはいえ、彼女のことをあまり覚えていない彼だが、何もせずにはいられなかったのである。

 レインは自身の手を握る掌を辿って、グレイを見つめた。一方でグレイは、何一つ出来ることの見当たらない自分を嘆き、うつむいてクルスの首元を見つめていた。


「俺もいるから――」


 しばらくの沈黙の後、グレイはようやく言葉を絞り出した。今の彼が口にできる、精一杯の一言だった。


「独りじゃないから……辛かったら頼ってくれていいから」

「――ありがとう」


 そこで会話は途切れた。微かでありながら確かな温もりを、二人は共有していた。

 結局のところ、レインも悩んでいたのだ。そんな彼女の人間性を幾度となく、長期に渡って疑っていた自分を、グレイは心底責めた。今まで親身になって声をかけてやれなかった自分が、この上なく憎たらしい。


『089小隊は南西に拡大しつつある一団の掃討に向かえ。また、我が方の増援が3名、そちらへ急行している。軍曹級の兵士が1名と、無所属の2名だ。この詳細不明の2名は、先ほどケントルムより新たな救世主と認可された者たちだ。彼らが到着するまで、もうしばらく耐えてくれ!』


 グレイが自責から左の拳を握り締めていると、彼の頭に声が聞こえた。見ると、レインも同じ声を聞いたようだ。二人は、これが准尉の言っていた『指示』であることを悟った。


「これで軍の士気は最高潮だろうな」


 ウィルは振り向かず、からかうように声を張り上げた。レインはからっとした笑顔を見せ、その瞳にもう涙を湛えてはいなかった。

 エイラが、今度は快活な声音で空に吼え、クルスも喜んでいるかのように続いた。

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