四節:遭遇

 狭い通路を三人がただ歩く。

 伸びる明かりに、揺れる光。前方では先のない道に怯むことなく突き進むハリー達に対し、その後方では額から汗を流し、夏場の犬のように忙しく呼吸を繰り返すジュニアがいた。

 頬から頻りなしに垂れ落ちる滴を拭い、深く息を吐いた。

「あ、暑くありませんか? なんだか息もしずらくて……」

 まるで熱いものを冷ますように、何度も口から息を噴き出すジュニアに、ハリーは振り返ることもなく声を返した。

「お前だけが興奮してるんだよ。ったく、あれだけの事でひとり息をあらげおって……遺物などを見つけた時はどうなるんだ? そんなノミの心臓で耐えれるのか? 運び出せるタンカーや人手なんてものはないんだぞ?」

 呆れたような言い方に、ジュニアは手に持つ明かりをハリーの後頭部へと向けた。

「それぐらいなら驚きはしませんが……まさかあんな仕掛けがあるとは……他の場所にもああいうものがあるんですか?」

 ジュニアからの問いに、ハリーは、ふん、と息を吐いた。

「そうあるわけないだろ。落とすだけの穴なんて――多く作った所で遺跡そのものに弊害が出てくるだけで、何一つ得などない」

「単純な作りに見えて維持と片付けが大変だからな。再利用するにも、落ちたモノを拾わないといけないし、周りが煉瓦ならまた作らないといけないで……三部屋同じような大きさの部屋があったのに、その仕掛けが一つだけだったのはそんな理由さ」

「湿地帯なら侵食で腐るほど穴は空いてるし、それを隠すための草も多くあるから、落とし穴なんて飽きるほどに作れるだろうが、こんな乾燥地帯の山ん中に人を落とせるほどの穴なんて、多く出来るわけがないだろ。わざわざ新たに掘るのも労力の無駄になるし、下手をすれば崩落の危険性をただ増やすだけにもなる――だから、そうあるわけがない」

「そうですか……じゃ安心して進めますね……」

 すっと、三人の足が突然止まった。

 背筋をピシッと伸ばし、まるでウサギのように耳を立てては、僅かな音を逃さぬように息を殺してそれを聞き取っていた。

 静寂が再び辺りを包む。

 先に声を出したのはジュニアだった。

「な、なんですか今の音……聞こえました?」

「……どこかで何かが崩れたような音だな」

「まさか、さっきみたいな落とし穴がどこかで……」

「あるとしても誰が掛かるんだ? 向こうを調査してる盗掘者どもか?」

「と、盗掘者って……そんな口の悪い……同じ調査員ですよ?」

 その言葉に、ハリーは、ハァッ!、と声を上げ、鼻で笑った。

「金のために動いてる奴等に、ここの価値が分かると思ってるのか、お前は? 遺物ってのは墓や倉庫にある陶器や宝石、壁に描かれた壁画だと思ってるんじゃないだろうな? ええ?」

 ハリーは手に持つ明かりをジュニアの顔へと差し向けた。

 突然の眩しさにジュニアは目を細め、無意識に歩を下げては、左腕で目元を覆った。

「この場所全体を構成している岩、それにその周辺にある砂漠やオアシス、外に出ればいくらでも見れる空、その全てが歴史を語る上で、十分な遺物としての歴史的価値があるんだ。――よく思い出してみろ。お前がヨダレを滴ながら食べたあのステーキ、堕落してぐだぐだと大口を開けて眠ったベッド、そんな快適に暮らす為の道具や食い物が昔からあったと思うか? お前が雛鳥のようにぴよぴよと絨毯の上で這いつくばっている時よりも前から――」

「ああー、分かりましたから! だから、ライトを下げてください! 眩しいですって!」

 左手を前に出し、麻祁の真横から伸びる懐中電灯を弾いた。

 ふん、と息を吐いたあと、ハリーは振り返り、明かりを前に向けては歩き出した。

「あいつらはそんな価値など分からずに、金のためなら幾らでも金持ちの望むものを建てる。高いビルに巨大プール、退屈を潰すための催し物や胃を満たすための食事など、そこには有り得ないもを作り出しては、錬金ごっこを楽しんでるんだよ。そんな連中が雇うような奴等に『天然資源を大切にしろ』なんて訴えた所で聞く耳なんて持つわけないがない。この山にだって、価値のあるものを見つけ出すまでは、ダイナマイトすら平気で使って穴を空けていくかもしれんぞ」

「そんな……そんな事をすればそれこそ崩落する事になりますよ。さすがにそれは……」

「いいや、十二分にあり得る。お前があくびをして、腹が減ったら飯を食うぐらいにな。さっきの音も壁か何かを発破した音かもしれん。あれからしばらく経つが似たような音も聞こえてこないしな――」

 ピタッと、三人の足が突然止まった。

 背筋をそのままに、まるで犬や猫のように耳を立てては、その音を逃さぬように息を殺して聞き取っていた。

「近くで鳴りましたね……」

「足場が崩れるにしても、発破するにしても音が短い」

「つまり、端的に壁を壊してるってことだ。俺たちが見つけたように塞がれた壁を見つけては、ハンマーか何かで叩き壊してるんだろう。まったく野蛮なやつらだ。神経が知れん」

 呆れるように、ハリーの口からは息に混じって悪態が吐き出され続けた。

 二人はそれに対し何も返さず、ただ揺れる背中に続くだけだった。

 暗く狭い通路を三人は進み、しばらくして土色の煉瓦が積まれた壁にあたった。

 ハリーが体を壁に寄せ付け、明かりを右に向ける。

「道があるな」

 そう一言呟いた後、体を擦らせながら先へと進み始めた。

 麻祁、ジュニアも体を張り付かせては、そのあとを追う。

 三人が抜け出たのは、今まで通ってきた道よりも横幅のある通路だった。

 相変わらずの暗さで光のない場所を、三人はまた歩を進めた。

 歩く最中、ジュニアは左右に光を揺らした後、漂う空気を切り替えるように、ふと息を吐いた。

「結構深くまで来たと思うんですけど……まだ続くんでしょうか?」

「山一つを使ってるからな。……とは言え、人力作業にも限りがあるから、最低でもあと一部屋ぐらいはあるだろう」

「一つ……だけですか?」

「一つで十分だ。それ以上は無駄でしかない。ここから外まで行き来を繰り返すのに、どれぐらいの時間が掛かると思ってるんだ? 通路の狭さからも、大量の煉瓦は運搬しては来れないだろし、わざわざここまで運んで敷き詰めたのは、道に迷わないようにするための目印程度の飾りか、抜け道を隠すためだけの意味で、立派な小部屋を作るためではない。ここから先はさらに殺風景な景色になるぞ。剥き出しの地肌に、自前の一張羅を破かんようにな」

「ええ……それじゃこんなリュック一つだけで大丈夫なんですか? もし最初みたいに大きな縦穴があったら梯子とかいるんじゃ……」

「確か……この場所は死火山だから、どこかに噴火口としての大穴が空いてるあるかもしれないな」

「その時はまた梯子を取りに戻ればいいだろ。明日にもその穴を降りれる準備ぐらいは整う」

「……それはそれで何かと呑気な気も……」

「行く先も見えぬ最初の調査にて、一体誰がそんな大掛かりな装備と人員を用意すると思ってるんだ? 下見は軽装でして、必要な道具があるなら、次入るときに準備をする――それが探索の基本だ。向こうもそれは同じだから、そう急くことはないだろう」

「そうですか……なんか先に見つけられる気もするんですが……」

「時間からも夜まで調査はせんから、ただの気苦労ってやつだ。それに、もし見つけたとしても、この通路の狭さと深さからも貴金属ではない可能性もあるから、持ち出す心配をせずに済むかもな」

「貴金属って……それじゃ宝石とかですか? でも、それだと持ち運びが出来て、持って帰れるし……」

「信仰的なモノかもしれないな。この辺りの信仰では太陽もその対象にあるから、さっきの上部の仕掛けからも、光線を利用した何か、かも」

「へえー、それなら確かに持ち運び出来ませんね」

「それと、もう一つ考えるなら、ここまで深く運び入れる苦労を考えると、もしかしたら、宝石……加工されたものではなく、鉱物そのものがある見方もできる」

「鉱物? ……それなら確か、この辺りで取れる物と言えばエメラルドじゃ……」

「あれは近海の所で取れるものだ。……この辺りも元は海だが、お前のひいひいひいひいひいひいひいひーーーー爺さんが元気にしていた頃は、活火山のはずだったから取れるものが違ってくる。あるとするなら、ラピスラズリかペリドットになるだろう」

「天然の宝石庫ですか……それはすごいですね……」

「価値はそれなりだが、宝石は宝石。売れば必ず金になるし、何より砕けば手軽に持ち運べるから、金銀財宝が埋め尽くされているよりかは楽でいい。そうなると、必ず道具を使って、考えて砕かないといけないから、野蛮に壁を打ち砕いてる奴等でも今日中には無理って話だよ」

「そうですか……それなら財宝よりも鉱物がいいですね。……あの、ちなみにもし見つけた場合の取り分の契約はどのように……?」

「発見者が百貰えることになってる。その代わりに、補助の利かないところは自前で出してるからな。調査の準備と人材費やらは全てがこっち持ちだ。寝屋や食う物ぐらいはさすがに用意してくれてるがな」

「それじゃ見つけて売れば一気に大金持ちになるんじゃ……」

「なんだ? 土地でも買ってサッカーでも始めるのか? それとも彼女にでもブランケットでも渡すつもりか? 遺物を手に入れただけで、そんな余裕がどこにあると思ってるんだ?」

「えっ!? い、いえ……そんなつもりじゃ……」

「売った物の資金はそれぞれに分配して、残りは次への必要経費として蓄えておくから、俺達の手元になんて何も残らんぞ。……そうだな、自分用のスコーンぐらいは買って、茶会ぐらいは出来るだろな。はっはっはっ!」

 ハリーの笑い声が通路に響く。

「それはあまりにも少なすぎじゃ……」

「もともと一から手伝いなんかしてないお前に、取り分なんてあるわけないだろ。いつまでもふらふらふらふらと……、今からでも遅くないから、さっさと上に行って、皆の手伝いをしてきたら少しぐらいは考えやってもいいだろう」

「そ、そんなこと言われても……今回は麻祁さんとの手伝いもありましたし、結構忙しかったんですよ、これでも……ね?」

 ジュニアの言葉に麻祁は一言、まあ、と返した。

「手伝いたって、案内と運転手ぐらいだろ。一体何がどうしてどうなったか、なんて理解出来てないだろ? 説明できるのか?」

「それぐらいは出来ますよ。えっと……、ある部族の方が普段利用している運搬路に獰猛なサソリが繁殖して、それを排除するために通り道に何度か液体を撒いたんですよ。それで焼き殺して、駆除しました」

「液体? なんの?」

「えっ……何のって……その……ガソ……リン……?」

 徐々に曇り行く声は、一度上にあがったと思えばすぐに下がり、麻祁の肩辺りで消えた。

 それを察したか、麻祁が代わりに答えた。

「禁水性物質。その少量を動物の体液と混ぜて、道に流し込んだ」

「ほお、禁水物質とな。……だが、あれは金属や石に含まれてるもので、生き物が食えるものでもないはずだが……」

「それがあるんだよ。入手経路はまだハッキリと特定してないけど、対象者の胃の中にそれを入れて発火させる事件があってね。今回はその物質を使用した」

「そんな事があったんですか?」

「ああ、突然人が発火する事件で――禁水性物質は水に触れたりすると、ガスを出したり高温になったりするから、それを利用した殺人だよ」

「なんとも肝の冷える話だな。喉が渇いて水を飲むだけで体を燃やせるなら、今まで起きていた人体発火の謎もそれで解決できるんじゃないのか?」

「それがなかなか難しい話でね。今、確認されている禁水性物質は体内に入れば何かしらの中毒症状が出るから、飲み込んだだけで数週間も経たずしてすぐに表面に現れて、解剖すればすぐに分かるようになっているんだけど、当時の検証にそんな物質が体内から出てきたとは書かれてないんだ。――もし中毒症状にならず体内に蓄積されたとしても、酸素が無ければ燃焼し続けないから、そもそもが人体発火の解明にはならないようになっている。過去の事例として、アルコールを飲んでる人に多く見られたという話もあって、当時はそれが原因とされていたが、飲んでない人も勝手に燃えていたみたいだから、今では違うという見方もされてるぐらいだしね。火って一見なんでも燃えて、利便性の良いものだというイメージはあるけど、酸素とかの力を借りないと延焼は続かないから、発火させるだけでもそう手軽なものじゃないんだよ。だから、そう簡単に人の内側からは燃えることはない」

「なら、どうやってそいつは燃やしたんだ? 話からしても、その未知の禁水性物質を飲ませて体内に蓄積させたとしても、酸素が無ければ燃えないんだろ……まさか、水に酸素を?」

「その通り、高濃度の酸素水を飲ましてる」

「……なるほど……。それならたちまち延焼どころか爆発するかもな」

「酸素水みたいなものがあるんですか? 一体何のためのモノなんです?」

「運動した人や低酸素地帯ではよく利用する医薬品の一つだよ。急激に酸素の消費や吸収率が落ちるということは、血液や脳にも影響が出てくるから、それを補う為に使ったりするんだよ。よくマラソンとかの大会で選手達が口にスプレーを当てたりしてるだろ、あれがそうだよ」

「ああ、なるほど……」

「今の科学があるからこそ……ってものか。しかし、変わった殺し方を思いつくもんだな。そんな下らんことを考えるなら、もっと世の為、人の為にその頭を使えばいいのにな」

「そんな事を考える隙間もないからそういう事件が起きる。頭の中じゃ、興味心と探求心で一杯だからね。余韻が生まれる隙がない」

「はっはっはっ、それなら納得がいく。俺達を含め、この手の職業にはそういう奴等は多いからな。――ただ、違うところがあるとすれば、その中でも四六時中、金の事ばかり考えてるやつもいけるどな。……で、サソリを焼き殺したのがその物質と酸素水ってわけか」

「毎夜出掛けては餌やりさ。一ヶ月以上は掛かると思ったが、思ったより早く済んで良かったよ」

「もう居ないのか? 確認はどうやるんだ?」

「絶滅したかどうかの確認なんて短期間では絶対に出来ないから、運搬路だけ確保すればいい契約になっている。何日か通って対象の姿が見せなければ一時的にそれで依頼は達成ってわけさ。像を好きに見せてもらえる期間は、再びサソリが出るまでの間。そう頻繁に通うわけじゃないし、色々検証するにしても、準備やその部族が大事にしている神様なんだから、そう時間を取らせるわけにもいかない。一応、実像をこの目で見たし、目的としてはもう十分に達成されてるから今は満足だよ」

「そうかそうか、それは良かった。また変わった話が耳に入ったら教えるからな。――お礼は暇な時に手伝いをしてくれるだけでいい。手が空いたときにでもな」

「それが依頼を受ける上で、最も面倒で一番気掛かりなんだけど」

「はっはっはっ、そうかそうか。それは悪いことをしてるな。それなら口に出さずにしておこう」

 再びハリーの笑い声だけが薄闇の通路に響き渡った。

 三人はさらに前へと進んだ。

 時折目にする煉瓦の壁に触れては眺めてを繰り返し、窮屈な通路を進み続ける。

 時には積み上げられた煉瓦を崩すような音を耳にしながらも、その足は戻ることはなかった。

 ジュニア右手首に巻き付けている時計に目をやる。

 短い針は四時を指していた。

「もう四時過ぎですね」

「早くもそんな時間か? 長いこと歩いたものだな。全く疲れはしてこないが」

「……帰り道は大丈夫なんでしょうか? 分かれ道は少ないとはいえ……結構深くまで来ましたけど……覚えてます?」

 ジュニアの問いにハリーがすぐに答えた。

「いいや、覚えとらん。お前はどうだ?」

「ええ!? ぼ、僕も覚えてませんよ! 麻祁さんはどうなんですか?」

「何となくは……まあ、もし迷っても上を目指せばいつかは出られるし、携帯での位置情報もあるから、救助も来てくれるよ」

「そういうことだ。そんな小さなこといちいち気にするよりも、時間だけはしっかりせんとな。ここは元から暗いから明かりなんぞ気にもならんだろうが、外が暗いと何が起きるか分からないからな。途中襲われても文句は言えんぞ」

「襲われるって……一体誰にですか?」

「四つ足もいれば二本足もいたりで、四車輪で突っ込んでくるかもしれん」

「ぶ、物騒な……いつぐらいに切り上げをするつもりなんですか……?」

 ジュニアが再び時計に目を向ける。短針は五時近くまで迫っていた。

「あと一時間ぐらいだな。ある程度進んで何か目印があるなら、もっと早く切り上げよう。……しかし、深いな。こりゃ、何かしらの鉱石は期待していいかもしれん」

 ハリーが明かりを辺りにちらつかせる。光に映るのは、土色のオウトツのある手彫りで出来た壁だった。

「どこかに隠し通路があるかもな」

「……ありますか? さっきみたいに煉瓦で積まれていたなら分かるんですけど……」

「壁を触れば分かるが、表面が妙にざらついて滑らかだ。これが本当に岩なら、もっと固くて色も違ってくる。もしかすると、粘土を塗ってるかもしれん。それなら、隠し通路も……無いこともないだろ?」

「そんな考えすぎじゃ――」

――瞬間、無意識に三人が身構えた。

 砂煙が舞い、視線を覆う。突然、右側の壁が左へと吹き飛んだ。

 その衝撃音は凄まじく、背筋の張った体をを急激な力で叩きつけたような感じだった。

 ハリーと麻祁は構えを解き、砂煙の中を見据える。

 ふと、右側の開けられた穴の向こうから、二人の女声が聞こえてきた。

「……やっぱ加減ってもんができないの? 力任せにぶんぶん、ぶんぶんやってたら本当に崩れるわよ? 生き埋めになったらどうするつもり?」

「私は平気」

「あんたは平気でも私は平気じゃないわよ! いくらサーモグラフィーがあるからって、そんな力任せで叩いたら振動で崩れるでしょ!!」

「間違いがなければ大丈夫だって。それに、わざわざ崩す為に壁って作ってるんでしょ? だったら、どれだけ衝撃与えても大丈夫だよ。それで全てが崩れたら作った人がバカじゃんかよ」

 降り落ちる砂粒は足元で散らばる石の上へと落ち、次第にその姿を沈めた。

 ハリーとジュニアの射すライトに交る様にして、右側から突き抜けてくる二つの明かりが左側の壁を照らし出す。

「バカ力で考えも無しにブチ破る方がバカよ! そんな想定、昔の人が出来るわけないでしょ!? 状況を考えなさいよ、だから前の時だって――あっ!!?」

 明かりに見える、茶髪のボブショットと金髪のミディアムヘアー。

 一人は驚いた様子で口を開け、もう一人は無表情のまま、明かりを向けてくる三人に気付いた。 

 四つの光が交差する通路の中で、五人は見合った。

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