1-6 就職先にて

秘書と馬車に揺られている。

話すことがない…

2人は黙って30分馬車に揺られる。


馬車が止まり、秘書が降りる用意をする。

「ここがあなたの働く先です。」

秘書と自分が馬車から降りる。

目の前には普通の八百屋と花屋が

2件並んでいる。

「ここですか?」

「ええ」

そう言うと秘書と自分は八百屋に入る。


「…らっしゃ~い…」

店の中から、気だるげな声が聞こえる。

声の方に向かうと、ぼさぼさ髪で、

新聞を読んでいる、男が座っている。

「この人が八百屋の店長で、あなたの

上司にあたる人です。」

「…よろしく頼むよ…」

店長は気だるげに挨拶をして、

自分は店長と握手をする。

「君の能力は、確か…」

と店長は自分の能力を思い出そうと頭を

抱える。

「そいつの能力は反転だろ?」


店長の後ろから声が聞こえる。

金髪できれいな身なりの男が現れる。

「…ありがとね、副店長」

「ったく、ちゃんと覚えろよ」

「…うっかりしててね」

副店長と呼ばれた人が自分の前に来る。

「よう。お前が新入りか?よろしくな」

「お願いします。」

自分と副店長は握手をかわす。

「…じゃあ、説明は任せるね」

「なっ!」

そう言うと店長は八百屋から走って

出ていってしまう。

「まぁ、いつものことさ」

副店長は無理に繕うも、顔が笑っていない。

自分はここでやっていけるか、

先が思いやられてしまう。


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