第18話 ファミコンの屋根の下
大学教授を両親に持つ彼女は、家族が大好きだった。
今は交流していないので、どうしているか判らないけど、大好きさ加減が極端で、ファザコンであり、マザコンであり、ブラコンであり、なんというか・・・言うなればファミコンだった。
彼女と家族は血のつながりがない。
養女だからだ。
彼女はそれを、弟が生まれたときに知らされたのだという。
「私はどんな赤ちゃんだったの?」
新生児の弟を見ながら母親に聞いたら、そばにいた父親が言いにくそうに、実は・・・とカミングアウトしてきたのだそうだ。
だが、彼女はショックを受けなかったらしい。
愛されて育っていたから、むしろこの家の子になれて良かった、と思ったのだそうだ。
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