第3話 「理想」の死後の世界

 僕は自分の想像力に自信がありません。眼を閉じて具体的な描写をしようとしても、中々うまくいきません。集中が途切れて、他の事を考えて、あるいは唯単にものを見ず知らずだからうまくいきません。

 いくら死後の世界が「想像」しか無い世界でも、その想像能力が錬度を上げて立派な物になるとはイメージできません。


 なので死んだら、もう既にそこには「僕の理想の世界」が広がっているんだと、そうご都合妄想をしています。


 周りにはゲームが沢山。大好きだったあのゲームから、未だ発売されていないあのゲーム、果ては何の情報も無い全く新しいゲームまでも創り出してしまって存在している。

 テレビ番組も好きなものが見れるし、映画も昔の名作もフルカラーHDリマスターオーロラビジョン1兆インチの特大画面で(用語がよく分かっていないので適当。つまりすごい)、読みたい本も打ち切りの続きも何でもズラリ。

 誰でも何でも召還できて寂しくない。

 舞台も作れるしスポーツもできるし(スポーツは今の僕は好きではないが)どんなアミューズメントも揃ってる。

 あんなことこんなことし放題。


 そんな夢のような世界。

 そこで生じる問題としては「全能感」。

 よく、全能感に慣れてしまうと何をしても楽しくなくなる、と言う。

 ゲームならば強すぎてニューゲーム、いや強すぎた上に全てクリアしコンプしやりこみMAX。

 確かに楽しく無さそう。


 それでもそこは夢の世界ですから、「自分」すらも変えられます。

 衣装はもちろん容姿も好きな形にいつでも変更出来る。性別も。種族も。

 そして、性格や感情も。

 生きている人ならば絶対に到達できない性格にもなれる、と想定し、すると「万能感」における後の「虚無感」も無くなる、と妄想する。シミュレーテッド・リアリティ?とかそういう感じのものとかとも、無縁!


 つまりは「何でも出来るし何やっても楽しい」世界だと。そんな世界だったらいいな、と思っております。

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