第2話
○日曜日の朝。窓の枠に乗っかる銀河
銀河『おはようございます!』
○笑顔の愛美
愛美『おはよう!』
銀河『今日はいつもと違ってますね!』
愛美『え?何が?』
銀河『いつもに増してお美しい!』
愛美『そ・・そんな事ないですよ・・日曜日だけメイクの練習してるだけです・・』
銀河『・・今日はどこか行かれるんですか?』
愛美『今日は特に用事はないんです・・』
銀河『そうですか・・ではまた、遠くから見守っていますね!』
○空中に数メートル浮かび上がる銀河を呼びとめる愛美
愛美『ちょっと待って!』
○振り向く銀河
愛美『もうちょっと・・ここにいませんか?』
○部屋に入って座る銀河
愛美『お茶とか飲めますか?』
銀河『僕、熱い物がだめなんです・・』
○ジュースを飲む銀河
愛美『海王星って寒いの?調べたけど、マイナス200度以下だったよ?
空気の成分も地球と全然違うし・・』
銀河『海王星は氷の星で地表にはドームを作って暮らしています。
それでもマイナス何十度もあるので私達ジャックフロスト族しか住んでいません。』
愛美『ジャックフロスト?聞いた事あるけど・・雪の妖精だっけ?』
銀河『霜の妖精ですけど、そんな感じです。
イングランドの寒い気候がぼく達には合っていて
よく遊びに行っていましたが魔法を使うので妖精扱いされていましたね』
愛美『あ、そうそう!イングランドのおとぎ話の妖精だ!』
銀河『僕は妖精ではありませんけど(笑)』
愛美『ドームの中は住みよいの?』
銀河『はい。みなさん温かい人が多くて落ち着きます』
愛美『ふ~ん・・不思議な感じ・・食べ物はどうしてるの?』
銀河『氷のなかで育つ雪いちごとか雪イモとかを食べています。
あと冷静スープとかも』
愛美『なんか、寒そう(笑)』
銀河『そうですね・・だから私達以外は地中で暮らしています。そこは日本の春と
同じくらいの温かさですね』
愛美『へー!ところでなんで配送員をやってるの?』
○急に表情が暗くなる銀河
銀河『・・お金が必要で・・』
愛美『あ・・ごめん・・それ以上言わなくていい・・』
○部屋に沈黙が流れる
愛美『スキー・・連れてってくれるの?』
銀河『はい。喜んで!』
○時空のはざまを作る銀河
○手をつないで一緒に入る2人
○すると数秒で地球が遠のいてゆき
○海王星の氷の上に降りる
愛美『以外に早かったね!ここが海王星?』
銀河『はい。ここから少し歩きます』
○あたりは薄暗く木々は凍りついている
○遠くに氷の城が見えてくる
愛美『あれは?』
銀河『あれはこの国にドームの屋根を作った王様の城です』
○半球型の氷の家が見えてくる
愛美『あれ!家?』
銀河『はい。あの辺りに僕の家があります』
○銀河の家の前に来る
銀河『ちょっと待っててもらえますか?』
愛美『うん・・』
○雪だるまのような人と会話をしてお金を渡す銀河
愛美『お金払ってるのかな?』
○帰ってくる銀河
銀河『お待たせしました!僕の家に入りましょう』
愛美『ほんと?やったぁ!寒くて(笑)』
○中に入ると小さな妹が出てくる
愛美『こんにちは!』
妹『こんにちは!』
愛美『妹さん、かわいいね!』
銀河『いえいえ(笑)おてんばですよ!』
愛美『ごめん!やっぱり寒いんで飴玉でダウンジャケット作るね!』
銀河『どうぞ!』
○ぽんっと音がして愛美は真っ赤なダウンジャケットを着ている
妹『きゃあああ!』
銀河『あ・・あの・・外に出ませんか?ここの国の人達はみんな
その色が苦手なんです・・』
愛美『え??うん・・』
○外に出る2人
銀河『僕は世界を周っているので慣れましたが、ここの住人はちょっと・・』
愛美『そう言えばどこの家もこの色使ってない・・気づかなくてごめんね・・』
銀河『こちらこそ説明しなくてすみません・・』
愛美『あのお城・・あそこで赤く輝くのは何?』
銀河『あれは魔よけの石です。ユキクイという怪物を追い払うために飾っています』
愛美『ユキクイって雪を食べるの?』
銀河『雪も食べますけど、家の壁に使われる永久凍土が好物で住民は困っています・・』
愛美『怪物かぁ・・退治できないの?』
銀河『はい。ここには退治できる物はいません。ユキクイは魔奏玉で召喚した
異次元の怪物です。』
愛美『じゃあ、もとの次元に返す事は?』
銀河『魔奏玉でゲージという箱を作れって入れれば大抵はもとの世界に
帰ってゆくんですが・・』
愛美『ゲージを作れる人がここにはいないとか?』
銀河『はい・・本来、召喚した人物が返還用の的確なゲージを作れるはずなんですが』
愛美『召喚した人物の力不足?』
銀河『はい・・ゆえに私みたいな配送員が審判をして配布を行っています』
愛美『でも、そんな危険な目に会うんだったら魔奏玉なんか配布しなければいいのに』
銀河『・・魔奏玉を作った本人の希望により配布されていると聞きます・・』
愛美『作った人ってどんな人なの?』
銀河『それは知りません・・おそらく海王星の人だと思います・・』
愛美『疑問に思っていた事があって・・私に魔奏玉を渡す目的は?』
銀河『それは・・緑色の魔奏玉を扱えるかジャッジをするためです』
愛美『緑色は黄色と違うんだ?』
銀河『はい。詳しくは聞かされていませんが色々な効果があるそうです』
愛美『効果って、例えば?』
銀河『動物や人を原子変換無しで作れるそうです。
それ以外は知らされていません・・ただ適正な人物に配布しないさいとしか・・』
愛美『ふ~ん・・』
銀河『それじゃあ、行きましょうか?スキー』
愛美『うん!』
○スキー中に休憩を取る2人
愛美『あ~やっぱりスキーって楽しい!運動したからおなか減ったけど(笑)』
銀河『じゃあ、帰りたくなったら言ってください。ただ、僕が疲れ過ぎると
次元のはざまはしばらく作れませんので』
愛美『疲れって関係あるの?』
銀河『はい。脳波が強く出ていないと魔奏玉の電波が海王星の受信機に
届かないんです・・』
愛美『そうなんだ・・今は大丈夫?』
○服のすそをまくり腕時計のような物を見る銀河
愛美『腕時計?この世界にもあるんだね』
銀河『これは脳波計で脳波の強さを測る機械です』
○脳波計を覗きこむ愛美
愛美『あ・・ほんとだ・・パワーゲージみたいな表示になってる・・』
○ドーーーンと大きな音
愛美『え!?何何??』
銀河『あいつ・・まだこの辺にいたのか・・』
愛美『あいつって??』
銀河『雪男です。』
愛美『雪男!?悪い事するの?』
銀河『はい。田畑を荒らすだけではなく、小さい子にケガをさせるので
村の人達で追い払ったんですが・・』
愛美『こわっ!』
銀河『あいつのせいで妹は・・』
愛美『妹?』
銀河『友達が襲われて、助けるのに魔物を召喚してしまったんです・・』
愛美『魔物ってどんな?』
銀河『ユキクイです・・』
○驚きの表情の愛美
愛美の心『妹さんが・・だから村の人に謝罪でお金を渡していたのかな・・』
銀河『少し離れて頂けますか?』
愛美『戦うの?村の人達を呼びに帰ろうよ!』
銀河『いえ、あのくらいは倒せないとユキクイを倒せるようになりません!
そのために配送員になって魔物退治の力を上げているので!』
愛美『わかった・・』
愛美の心『妹さんの責任をつぐなおうとしてるんだ・・』
○銀河のそばまでくる雪男
○すると銀河の頭上に輝く玉が現れる
○玉は輪に変わり輪の中から氷の大蛇が上から現れる。
銀河『いけ!アイススネーク!奴を追い払え!』
大蛇『きゅえええ!』
○カプっと銀河にかみつく大蛇
銀河『ぎゃあああ!』
銀河『おーよしよし!久しぶりだな!と・・とりあえず今はあの雪男にかみつけ!!』
○雪男にかみつく大蛇
雪男『ぎゅえええ!』
○蛇にかまれて逃げ出す雪男
○遠くから見守る愛美。
愛美『勝った!』
○次に空中に透明な立方体であるゲージを作り出す銀河
愛美『あれ、なんだろ?』
○銀河は大蛇にゲージを投げつけ、大蛇は消える
愛美『あ・・消えた・・さっき言っていたゲージってやつだ・・』
○銀河のそばに寄る愛美
愛美『銀河っておとなしい人かと思ってたけど戦うんだね!』
銀河『戦いは好みませんけど、必要に応じて・・』
○風が強くなる
愛美『うわっ雪が飛んできた!』
銀河『吹雪がきます・・でも次元のはざまを今は作れません・・』
愛美『え?どーして?』
○腕の脳波計を愛美に見せる銀河
愛美『あ・・全然脳波が出てない・・疲れ?』
銀河『はい・・今の戦いでかなり脳波を使いましたので・・』
○吹雪の中愛美を背負って帰り道を進む銀河
愛美『ねえ・・私も歩く・・』
銀河『いえ・・僕の責任ですから!それに寒さにも強いですし、力もあります!』
愛美の心『・・なんか頼もしいな・・そして、優しい・・理想かも・・』
○遠くに人影
銀河『誰だろ?遠くに誰かいる・・』
愛美『こんな吹雪の中?』
○それは先ほどの雪男で目が怒っている
銀河『まずいな・・今は召喚もできないし、吹雪は奴にとってはただの風・・』
愛美『雪男・・』
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