5年生① 書き
さくらの木の下に、羊のむれがあらわれた。羊の集だんが大あばれしたので、きんいつに生えていたさくらの花びらがたくさん落ちて、へった。そこへかい主のつまがやってきて、言った。
「大あばれするの、きんし!! ふたたびきそくをやぶったら、ぜったいにゆるさないからねっ!」
しかし羊たちはさいど、いきおいをましてあばれたので、木のえだが折れた。でも木のみきは折れなかった。
とうとうかい主もやってきてふうふそろって注意した。
「リーダー羊よ、このはんざいのせきにんを取って、さいばんに行きなさい」
しかし羊のリーダーは言った。
「ことわる」
「せめてあやまりなさい」
羊はあやまろうかまよった。でもひさ》しぶりに《《かい主にさからいたい気分だった。
「いやだ」
「そうか。リーダーしっかくだな」
「それもいやだ」
「うぅむ……じゃあ、じょうけんをあげよう。リーダーでいたいなら、てきのオオカミにできるかぎりちかよって、君の強さをしょうめいしなさい」
「そんなの、きけんすぎるよ! ふかのうだよ!」
「オオカミにせっきんできないなら、君はここに住んではいけない」
飼い主は、ひょうじょうを変えずに強く《《しゅちょう》した。
「わかった……しつもんなんだけど、そのオオカミぐんだんはどこにいるの?」
「近くのかせんとこうざんのさかいにいるよ」
羊はこうふんしながらしゅぎょうのじゅんびをして、ひとりで旅に出た。なれていないけわしい道を歩いて、こうざんの近くまで来た。そこにはどうがたくさんあった。さんそが少なかったので、羊は少し苦しくなった。
羊はオオカミを発見したので、べーっとしたを出した。すると一匹のオオカミが羊のそんざいに気付いた。
「やあ、羊さん。ごえいも付けずにここに来たら、かくじつにえいえんに帰れないよ?」
「どうして?」
「羊さんのお肉がほうふで美味しそうだから」
「食べないで。僕のそせんの毛であんだぬのをあげるから」
「ぬのよりも、べんとうがほしいぜ……」
オオカミはしたなめずりをした。
「俺のリーダーひきいるオオカミぐんだんは、腹がへって死にそうなじょうたいなんだよ。食べなきゃそんだ」
「ひじょうにひょうばんの良い森のえんそう会の、しょうたいじょうをあげるから」
「りょうしょうしよう」
そして別れぎわにオオカミは言った。
「次会ったら、おん返しに羊さんのしがんするものをあげよう」
「じゃあ、てきとうに日本せいのぶつぞうがほしい」
「よし。またな」
「うん」
羊はすぐにそこからいどうした。かいてきな風がふいて、羊の体毛をゆらした。
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