006.Electric Piano 2~エレクトリックピアノ2

通称DXエレクトリックピアノと呼ばれる電子音である。

実在するエレクトリックピアノから出る音ではない。

ヤマハが開発したFM音源(ガラケーに使われた着メロの音源はこれである)を搭載したシンセサイザー、DXシリーズ(DX7が超有名)、TXシリーズ(TX816がシリーズ最高のDX7を8台分持つスペックを誇る。価格は98万円)に上げられる。

音は明るいが楽曲のバックによく馴染む。コーラスエフェクトを与えると奇麗な広がりを得る。

80年代の楽曲では、どれもこれもこのDX7で作られたサウンドが謳歌していた。特にプリセット11番「E.PIANO1」が有名。

アナログシンセが高価であり、アマチュアが手に出来るアナログシンセの機能がまだ十分とは言えなかった時代――1983年、世界初のフルデジタル仕様のシンセサイザーとして世に放たれる。

当時、楽曲を飾ったアナログシンセが数十万~百何十万円という価格だった中、24万円という破格の安さを打ち出し、デジタルという物珍しさもあって大ヒットした。

当時はアナログシンセでは出せなかった「楽器音」や「金属音」を容易に出すことが出来る機種としてもてはやされたが、DX7での音作りには、仕組みを熟知した上に数値入力によって作られるため、予想の難しい作業だった。

その為、ヤマハはDX7の「音を拡張するカートリッジ」を豊富に用意し、一台でたくさんの音を出せるようにしていた。

つまり、現在まで続く「増設して音を拡張する」仕組みは、このDX7によって確立されたのである。

この頃から、「音を作る」時代から「音を買う」時代になっていくこととなる。

 

ちなみに学校のチャイムで知られる音は、DX7で作られているものがある(プリセット26番「TUB BELL」)。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る