005.Electric Piano 1~エレクトリックピアノ1
通称ローズやウーリッツァーのたぐいに見られる電気ピアノ。
フェンダー社のローズエレクトリックピアノが有名。
ハロルド・ローズというアメリカ人によって考案され、当時は軍隊向けで、戦場で心に傷を負った隊員の慰安目的で作られた工作の機材であった。
それをフェンダー社の創設者であるレオ・フェンダーと共同で改良、製品化され「Rhodes Electric Piano」となった。
ローランドが買収し、「ローランド・ローズ」ブランドとしてデジタルピアノ「MK-80」などを販売した経緯もある。ローランドが「Rhodes」ブランドを所有している間に出されたPCM機種には、エレクトリックピアノに「Rhodes」の名が見られる。
1997年、ローランドからローズブランドを仲間と共に取り戻したハロルド・ローズは、新たなローズピアノの開発に乗り出し、ローズはこの現代に「Rhodes Electric Piano Mark 7」としてよみがえる。しかし、ハロルドが2007年に亡くなるまでに、完成を見ることはなかった。
ローズはCP(エレクトリックグランドピアノ)と同じくピックアップ式だが、その構造には違いがある。
弦の代わりにあるものは、トーンバーと呼ばれる細長い針金であり、それを簡略化されたハンマーで叩き、すぐ上にある金属のバーに共鳴させ、音を出している。
チューニングは、トーンバーに巻きつけられた短いスプリングを動かすことで変更し、音質は共鳴用の金属バーを固定しているボルトの締め具合で決まる。
その音をアンプで増幅する為、構造自体は非常にシンプルだ。
それ故に、コンパクトにデザインされ、持ち運びが可能となっている(ローズスーツケースと呼ばれる物がそれにあたる)。
優しく弾けばコロコロと、強く弾けば弾かれる様なダイナミックな音にもなる。
オートパンや、トレモロ等のエフェクターを搭載している機種もある。
ウーリッツァーはウーリッツァー社の商品である。
ウーリッツァーは基本的な構造こそローズに似ているが、トーンバーの変わりにあるものは、リードと呼ばれる金属のプレートであり、それをハンマーで叩く事によって、音を発する。
その発音体の違いにより、ローズは柔らかなサウンドを奏でるが、ウーリッツァーは固めのサウンドが得られる。
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