第1話 姫がペットを拾った日
いつからだろう、自分を意識したのは。
いつからだろう、時間を意識したのは。
「きて。・・・お、きて。・・・起きて」
いつからだろう、俺を起こそうとする声が聞こえるのは。
「おはよう、やっと起きたのね」
「おはよう、君は誰だ?」
「私は姫、あなたは?」
「俺は、分からない」
目の前にいる少女は『姫』と名乗った。
俺は、自分の名前が分からない。
「そうなんだ、自分の名前が分からないのね。じゃあ、私が名前つけてあげる」
そう言って、姫と名乗った少女は、腕を組んで首を傾げながら、何度か唸った後、何か閃いたのか一拍して、こちらに振り向いて、可愛らしい笑顔で、こう言った。
「ぽち」
こうして、俺の名前は『ぽち』になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます