姫と魔導兵器《ペット》と世界と遺跡

からうり

第0話 世界が泣いた日

巨大な遺跡群が大天を埋め尽くす。

アルバオードスが終焉を詩ったのが、この惨劇の引鉄になったのだ。

地表は崩壊し、空殻ドレスが剥き出しになっている。

このままでは、星核ヒメが傷を負い、世界を修復することが出来なくなる。


「これ以上、あいつの思い通りにさせてはいけないわ」


彼女の詩が力を与えてくれる。

俺は、全力で攻撃をする。

迫り来る遺跡群の8割が消滅した。

やはり、全ての遺跡を消滅させることが出来なかったか。

もう、俺の聖霊ソールも残り少ない。

残りの遺跡群が、空殻ドレスに向かって進行するのが見える。

このままではマズイ。

ならば、死なば諸共!


「いや、そんな。だめっ!?貴方がいないと私何も出来ないよ」


大丈夫、君なら出来る。

俺がいなくても、きっと出来る。

そう言い残して、俺は遺跡群の中に突撃する。

俺は、残りの聖霊ソールを起爆剤にして自爆したのだ。


いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ


最後に聞こえたのは。

アルバオードスの嘆きの声か。

彼女の悲しみの声だったのか。

俺は、それを知ることはなかった。


その日、誰にも知られることなく、世界が泣いた。

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