第9話 短編のコツ
短編のコツ。
短編において一番大事なことは明確なものに対する起伏の大きな流れを作ることです。
何が明確であるのかは書き手次第ですが、それは例えば雰囲気であったり行動であったり心情であったり場面や出来事であったりします。
昔話や近代の文学作品では、読者が最終的に「教訓」を得るのが好ましいとされていました。現代では当てはまりませんが、参考にはなると思います。
明確なものに対して流れを作るとはどういうことか?
それは物語の展開です。
短編において物語の展開を丁寧にすることは本質的には向いていません。文字数の問題です。逆に言えば文字数以内で丁寧に説明しても収まるような内容である場合、文章量に対して内容が薄い可能性があります。
では、展開を雑にするのか?
それも違います。正解は無限にあるので一例しか挙げませんが、例えばテンポよく展開を行って納得してもらうことが解決策のひとつです。
「話が長い」と言われるとき、話が長いのではなくテンポが悪いことが多いです。
どうやってテンポよく書くのか?
無駄な説明は省きましょう。無駄な描写は省きましょう。無駄なシーンは省きましょう。意味が伝わればいいので、必要以上に細かく描写する意味はありません。それが短編のコツです。
また、必要以上に細かく描写することが目的の短編は手法としては例外です。基本と例外は分けましょう。
起伏はどうやって作るのか?
短編では語れる量に制限があるため、物語の起伏の大きさは大事です。
まず、物語の原案をメモしてください。
そこから心情の変化に関する説明を抜いてください。
客観的な出来事だけの状態にしてください。
そこで起伏がなければ読者には起伏の少ない物語として見えます。
起伏の大きな物語は心情の変化だけでなく、その心情の変化と共に周囲の状況が変わることによって物語の起伏として認識されます。
心の変化の機微は美しいですが、それは結局のところ機微であるがゆえに起伏としては小さいのです。作者には心情の変化がとても大きな起伏に思えてしまうため注意してください。読者目線で考えるのが重要です。
以上、こんな考え方をしている人もいるなあ程度に。
わたし式の短編のコツでした。
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