第7話 かいぬし☆ばか

ミルクから離乳食に変わってから、まるくんは離乳食がお気に入りになり、再び名前に負けないように丸々としてきた。

病院では相変わらず栄養剤を注入するけど、その感覚も3日に1度から1週間に1度になり、もう大丈夫でしょう、と獣医に言われるまで、色々と頑張った。


そんな、まるくん。

自分でトイレに行くようになり、おしりも綺麗に舐めようとする。が、お腹が邪魔をしてコローンとなり、仰向けになってしまう。

何度やってもコロコロ。

そのうち困ったような顔をして、わたしをみる。


『おしりなめたいんだけど、なんとかしてよね』


と言っている表情だ。

この頃から、まるくんはなにか困ったことがあると、わたしに訴えかけてくるようになった。

わたしは、まるくんの腰をそっと支え、コロっとならないようにし、まるくんは心ゆくまでおしりを舐めることができた。

でも、ありがとうという態度もなく、『当然でしょ』なのは、いうまでもなかった。

だが、まるよ。その飼い主のわたしの腰が痛くなったのだが、それも放置なのかい?



とある日。

わたしがトイレに行きたいときに、まるも後ろをトコトコとついてきた。

もう後をついてくるだけでもかわいいんだが、トイレに入ってからも、足にはくっついてきて甘えるわ、紐のついた服ならその紐にじゃれるわ、二足で立って、ちょうどわたしの膝にまるの前足がくると、そこで爪とぎをするわの大騒ぎ。


どうやら部屋も狭いところだとテンションがあがるらしく、色々暴れてくれた。

かわいいからそのまま遊んでいようかな、と思ったが、家族も使うトイレなので、ある程度切り上げて、少し高いところにあるトイレの棚にまるを載せた。


そこはまるにとっては標高が高かったらしく、おとなしくじっと座って、わたしがトイレを済ますのを待っていた。

まあ、それもかわいい。落ち着かないけど。

その後、トイレが終わって、いざ抱っこしようと棚の前に立つと、まるは二足立ちし、わたしのお腹にちょんと前足2本、乗せてくるではないですか!


『ねぇ、抱っこして~』


と言わんばかりに!

目はまっすぐわたしを見て、それはもう、飼い主は鼻血出まくりですよ。

かわいすぎて。


こうして、わたしはまるくんにメロメロにされたわけです。

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