第4話 動物病院
毎日ミルクをあげる日々。
こんなときは、自宅でできる仕事でよかったなぁ、と思う。
だけど、手では追いつかずにガリガリになってきたので、動物病院に連れて行き、栄養剤を打ってもらうことにした。
おしっこをしてもいいように小さな箱にペットシーツを敷き詰め、その上にタオルを敷きまるを乗せ、その上から薄い布を掛ける。まだキャリーケースなどという、ねこを運ぶものはなかったので間に合わせの品。
それを母親に持ってもらい、自分はそっと運転して動物病院まで行く。
動物病院につくと、まるは外に出たがったので、手のひらに乗せることにした。
おとなしくおすわり状態で、手のひらに乗るまる。
そのまま受付を済ませたとき、受付の女の人は
「うぅ、かわいい」
と一言。
誰もがまるの可愛さにメロメロ…、と思ったけど、これはきっと飼い主バカ状態なんだろうな、と思った。
その後名前を呼ばれ、先生にまるを見せる。
「一応栄養剤を打つけど、この仔は小さいし持たないかも」
と言われる。
そのぐらい、まるの成長は悪かった。
持つようなら毎日連れて来てください。とそっけなく言われ、不安にかられるものの、家に帰ればミルクをペロペロするので、毎日通うことにした。
そのうち注射を打ってもらうことで、体が楽になるとまるは学習したらしく、注射の袋を開けるカサカサという音を聞くだけでごきげんになるようになった。
かなり変なねこに育ってしまったのかもしれない。
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