魔術殺しの結界魔術・マンガ原作大賞用

七四六明

マンガ原作用・魔術殺しの結界魔術

弟子入り志願

 六錠扉りくじょうとびらは呼び止められた。靴のかかと部分を踏まないでちゃんと履いて帰ろうと、身をかがめている最中だった。

 六錠扉は部活動に入部していないから、なんで来ないのなんて言うマネージャーや仲間ではない。

 六錠扉は基本ぼっちなので、一緒に帰ろうという友達や、ましてや幼馴染などありえない。というか幼馴染など、この学園には一人もいない。

 ならば告白かとなるが、それこそありえない。六錠扉は、女子に対してはとくに冷たい人間だ。それに惚れる人間などありえない。

 ならば一体なんの用で、彼女は話しかけてきたのだろうか。六錠扉には、まったくもって想像できなかった。

「り、六錠先輩!」

 緊張している様子で、彼女はスカートの裾を掴みながら声を張る。そして次の瞬間、この後輩は六錠扉のまるで予測していなかった言葉を投げ飛ばした。

「私を弟子にしてください!」

「……は?」

 

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