二重の本心
間違った知識
間違った選択
間違った人格
間違えたものは
消えてはくれないけれども
せめて
贖罪だけはしたいのだった
そう言って
左手首へ
ぴたりと突き付けるが
こうして正論を
振りかざしても
傷付けられはしないのだ
そうか、そうだった
僕は小学5年生の時に
生まれた
生み出された
紙片の落書きだった
ただ、あの時に消えてしまわないための
僕は借り物の体の住人だった
僕は仮の心だった
僕は「「本心じゃない」」
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