堂々巡り

活字を読むのが

怖い

そうして

元の自分の言葉が薄れて往くから


感情を描き出すのが

怖い

そうして

私から感情が失われるから


人と話すのが

怖い

そうして

自分の中身が見られてしまうから


でも最近気がついた

いざ死んでしまうとなったなら

わたしはどうするか


わたしは

未知の本を読みたい

納得するまで絵を描いていたい

気の置けない友人と夜が明けるまで語り明かしたい

そうして

自分の世界のすべてに満足したい

怖いのは


文字を追えなくなることだった

筆を持ち私の殺陣たてを披露できない事だった

人の温かみに触れられなくなることだった

そうして

私は堂々巡りをして

また

エゴイストを辞められなくなる

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